<楽天2-4日本ハム>◇20日◇コボスタ宮城

 3連勝はならなかった。楽天辛島航投手(23)が日本ハム戦に先発。自身の3連勝とチームの3連勝をかけた一戦だったが、7回に突然崩れ3失点。7回を投げ、94球で8安打4失点(自責3)で敗戦投手となった。6回まで連打を許さずテンポの良い投球を見せ、完投ペースだったが制球が甘くなった点が課題として残った。

 辛島のリズムが突然変わった。緩いカーブに、ズバッと内角をえぐる直球。30キロ以上の緩急をつけて、日本ハム打線に的を絞らせない。テンポの良い投球が一瞬で乱れた。

 7回、日本ハム先頭の大引に二塁打を浴びる。続く小谷野に犠打を許し、1死三塁。迎えるのは7番石川慎。初球だった。右打者の外角へ逃げるチェンジアップを狙い打ちされた。強烈なピッチャー返し。頭上への打球を、ジャンプしてつかもうとした。しかし鋭いライナーは無情にもグラブをはじき、中前へと抜けていった。「7回に最少失点でいけていれば。もったいなかった」と唇をかんだ。その後も安打を許し、3失点。この回でマウンドを降りた。

 先制を許した場面も嫌な流れからだった。3回1死走者なし。日本ハム西川に134キロの直球を痛打された。打球は中堅フェンス直撃。中堅手牧田のファンブルに気付かず、カバリングが一瞬遅れた。送球が乱れ、三塁手の銀次が捕れず悪送球に。本来ならば、万が一に備え三塁の後ろに走っていなければいけないが、二塁打と油断していた。打球がベンチ前を転々とする間に1点を失った。「1回走者が(二塁で)止まって、プレーが止まっていると思った」と自らの判断ミスを反省した。

 7回を投げ94球とテンポは良かったが、少ない好機で得点を許した。バッテリーを組んだ小関も「西川さんへのチェンジアップが低めに来ていれば。1、2、3で打たれた感。リズムも良かったので」と悔しがった。星野監督は「2点目を取られて、今日はもう勝てないと粘りがなかったな」と泥臭い闘争心を求めた。

 辛島は「特別何かを変える必要はないと思う」と振り返った。油断からこぼれた白星。淡々と話す目の奥には雪辱の炎が燃えていた。【島根純】