幕張のリアル半沢直樹こと、ロッテ山室晋也球団社長(54)が球団改革に動いた。21日、新たにベストヒーローインタビュー賞を設けることを公言した。月ごとにヒーローインタビューのトークが面白かった選手をファンに選んでもらうもの。野球のプレーだけでなく、コメント力、パフォーマンス力のある集団となってファンを喜ばせる。

 キャンプから、各球団のファンサービスを視察してきた山室球団社長が、ついに改革に乗り出した。「ヒーローインタビューは野球観戦のクライマックス。これまでよりもさらに、より選手とファンで盛り上がってほしい。盛り上がるほど、お客さんであるファンの満足度は上がるはず」と、新たにベストヒーローインタビュー賞を設けた。

 球団公式ホームページで投票を受け付ける。QVCマリンのお立ち台に上がった選手の中から、最も面白かったとファンに認定された選手に、社長賞として賞品が贈られる。賞品は社長が独断で決める予定。さわやかなトークであれば、ロッテのアイス「爽」を1年分。ビックリするような話だったらビックリマンチョコ1年分などといった形だが、社長が腹を抱えて笑うようならば、ポケットマネーが飛び出す可能性もあるという。

 球界では前代未聞のトークの表彰。山室社長は「12球団一のトークを発揮してほしい。パフォーマンス力、コメント力を上げて、本当のヒーローになってほしい」と狙いを説明した。今回のアイデアのきっかけとなったのは開幕戦でソフトバンク内川のお立ち台を見たこと。ファンとともに「1、2、3、俺がやる」と叫ぶ姿に良さを感じた。

 ロッテには決めぜりふのある選手が少ない。G・G・佐藤の「キモティー」くらいしかなく、新たな決めぜりふの定着も社長は求めている。リアル半沢直樹の山室社長の前で「倍返しだ!」と叫ぶ選手も、出てくるかもしれない。【竹内智信】

 ◆幕張の半沢直樹

 ロッテ山室晋也球団社長は、元みずほ銀行の銀行員で、16期中15期も在籍していた支店を営業成績トップに押し上げた実績がある。そのやり手ぶりから「幕張の半沢直樹」と呼ばれている。球団社長就任後もやり手ぶりは変わらず、スポンサー集めに奔走した。みずほ銀行、東京西川といった大手の広告看板契約を取り付け、1月に就任してから開幕までの3カ月で1億円をかき集めた。また、みずほ銀行時代、ある支店に勤務していた時、口座の取引があった俳優の堺雅人がふらっと窓口を訪れたことがあったという。個室で世間話をし「いつか、銀行員の役をやってみたい」と言った堺雅人に、銀行内部を案内してあげたのは山室社長。半沢直樹の役作りにも一役買った。