<楽天0-3ロッテ>◇29日◇コボスタ宮城

 ロッテ涌井秀章投手(27)は奮い立った。1回2死二、三塁。井口のダイビングキャッチで切り抜けると「ベテランのああいうプレーを見ると、内から来るものがある」と、気持ちを強くした。直球系で押し、ピンチでも低めに投げきった。6回1/3を無失点。力でねじ伏せた。ワーストゲームから立ち直る投球を披露できた。

 前回22日のオリックス戦では2死から四球を連発し1イニング5失点した。変化球に逃げる配球を伊東監督からダメ出しされ「ワーストゲーム」と評された。「配球ミスだけど、ワクにはそれに首を振って直球を投げるくらいの強い気持ちでいてほしかった」。指揮官の思いは熱かった。「この前の試合の後で、監督から言われたことを少し頭に入れて投げました」。この日は首を振ってでも直球系の球を投げた。

 指揮官にとって、涌井が本来の姿を取り戻すことには大きな意味があった。開幕前、なかなか調子の上がらない涌井についてボソッと話したことがある。「一番心配してるのはオレだよ。でも絶対大丈夫。最初はダメでも他のローテーション投手で支えればいい。すぐにローテから外すつもりはないよ」。それは特別待遇ではない。涌井が本来の力を発揮できれば、逆に他の投手を引っ張る存在になれる計算があったから。そのためにも、力で押す涌井の姿が見たかった。

 この日の投球で涌井は「腕が振れた時には、力でねじ伏せられる感覚というのはあります」と、実感を得た。チームはこれで5連勝。昨年2勝しかできなかった仙台での勝利で、確かな手ごたえを得た。【竹内智信】

 ▼開幕5連敗でスタートしたロッテが、その後13勝7敗1分けと巻き返して13勝12敗1分けの貯金1とした。開幕5連敗以上のチームが26試合以下で貯金に転じたケースは、76年広島の24試合目(10勝9敗5分け)以来38年ぶり。