<楽天0-1ソフトバンク>◇4日◇コボスタ宮城

 牛タンパワーで値千金の決勝アーチだ。ソフトバンク松田宣浩内野手(30)が2回に左翼席へ3試合連発となる9号ソロ。前夜は仙台名物の牛タンを食べてパワーを蓄えていた。この1点を先発ウルフから継投で守り、今季初の1-0完封勝ち。2カードぶり勝ち越しでオリックスを抜いて10日ぶりに首位に立った。

 小躍りしてベンチに戻ってきた。松田がチームを首位浮上に導く1発。2回、左腕辛島から先制となる決勝の9号ソロを放った。カウント2-2からの7球目。バットを指1本分短く持って、低めスライダーをすくい上げた。手ごたえ十分の当たりが逆風を突いて左翼ポール際に飛び込んだ。

 「打った瞬間に入ったと思った。先頭打者だったし、追い込まれたんで食らいつく意識だった。ホームランになってうれしい」

 3試合連発は自身3度目。年間43・2本塁打ペースと自己最多だった11年の25発を上回る量産ぶりだ。仙台では昨年まで5年間、打率3割を超えたことがないが、今年は4割4分、4本塁打と打ちまくっている。

 まさに絶好調。4月23日の日本ハム戦から打席で小刻みにステップする「足踏み打法」を開始した。そこから10試合で38打数21安打の打率5割5分3厘。通算打率も1割上げた。頭に刻んでいるのは、ノートに書いてある数行だけ。「動から動の意識で、打てるボールを打ちに行く。あとはライナーを打つ意識」。前でボールをさばく独特の打法だが、今はシンプル・イズ・ベストの考えで好結果。23打点は同僚の内川、オリックス・ペーニャと並んでリーグトップに立った。

 前日3日、デーゲーム後、仙台名物を食べに出かけた。牛のタン刺しに始まり、タン焼き、タンシチュー、タンカレー…。タンずくめで食欲を満たすと、宿舎に戻ってリラックス。「よく眠れた」とスッキリした顔で言った。今月17日で31歳になるが、胃袋も肉体も活発。「盗塁にしても、前よりスピード感が出てきた。元気出せば、まだまだいけるでしょ」。衰えは、まったく感じていない。

 三塁打ならサイクル安打だった8回は左飛も、今季5度目の猛打賞。チームは10安打で1得点だけに、松田の1発が際立った。先制すれば11勝1分けと無敗も維持する。今季初の9連戦は3勝3敗の五分とし、本拠地に戻って今日5日から日本ハム3連戦。「明日も勝つという気持ちでみんなで戦っていく」。殊勲の選手会長は気合を入れ直した。【大池和幸】