元巨人球団代表兼GMの清武英利氏(63)の解任を巡る訴訟で、同氏と、渡辺恒雄球団会長(88)の証人尋問が5日、東京地裁で行われた。

 清武氏が会見を開き、強く反論した。現在は日本文芸家協会員でジャーナリストとして活動中の同氏は「野球界を離れて2年半、渡辺さんに言わせると私は『破滅的な攻撃』を受けている。一連の読売新聞の報道では私の反論は1行も載せられていない」と約1時間にわたって訴えた。

 11年11月11日の朝に渡辺会長との会話をテープで録音したことに正当性を主張。「(証人尋問で)肝心な所は、はぐらかし『記憶にない』の連発。テープをとらなければ、すべて私の捏造(ねつぞう)にされてしまう」。問題の発端となった人事決定方法に法廷では「私たちが練った人事を巨人では一取締役にすぎない渡辺氏が覆すのはありえない」と語気を強めた。会見では、球団の定款に「極めて珍しい定款。巨人の重要事項はグループ会社の代表取締役が事前承認権を持つ。子会社(巨人)の取締役会が無意味になる」と疑問を呈した。

 またシンガポール在住の女性(現夫人)が資料を押収された時に「(同国の)法律を利用して読売新聞の人間たちが(家に)入り込み、下着まであさったという」と怒りを見せた。