<巨人1-3西武>◇7日◇東京ドーム

 巨人阿部慎之助捕手(35)は節目の記録を自力で達成した。5回2死、西武岸の外角高め直球を軽く振り抜く。23戦ぶり1発の感触。松井秀喜の巨人時代を超える333号が右翼席へ。667人の走者をかえしてきた男は、ついに通算1000打点目を成し遂げた。「時間がかかったね。東京ドームで達成できてうれしい」と冷静だった。

 5月中旬。996打点の時に言った。「あと、1カ月かかるかもな」。満塁弾の一振りで決まる“王手”の状況にも危機感があった。打撃状態が上がらない。体重は約3キロ落ちた。「ストレスかな」。おなかを見つめ、冗談交じりに苦笑いしたこともある。前日6日の練習はロングティーを取り入れた。ステップが大きいという声にも「自分では変わらない感じなのに」と違和感を覚え続けた。

 「今日こそ決める」と切り替えた。7日は父東司さんの59歳の誕生日。「オヤジも見に来る。そこで1000打点だ」。自分も愛用するブランドの靴をプレゼントしたが、本当に贈りたかったのは勇姿だった。

 阿部は打点に対し、哲学がある。2年前、優勝が決まり、残り試合で3冠王へ本塁打を狙ったが、数字は伸びなかった。「前の打者がつないでくれて、僕の打点がある。それがすべて」。勝利に直結するから打点は尊い。「(999打点以降)各球場で花束を用意していただいた。ビジターの球場、球団スタッフの方々にも感謝している。数字は引退した時にでも振り返りたい。今日は勝てなかったから」。今までも、これからも勝利のために打つ。【広重竜太郎】

 ▼通算1000打点=阿部(巨人)

 7日の西武4回戦(東京ドーム)の5回、岸からソロ本塁打を放って達成。プロ野球42人目。初打点は01年3月30日の阪神1回戦(東京ドーム)で星野伸から。巨人で1000打点以上は5人目。主に捕手を務めた選手では野村(西武)1988打点、田淵(西武)1135打点、谷繁(中日)1022打点、古田(ヤクルト)1009打点に次いで5人目となり、巨人の捕手では初。また、通算本塁打は333本で、巨人では松井を抜いて単独4位となった。