<ヤクルト2-5西武>◇9日◇神宮

 おかわり君が勝負を決めた。西武中村剛也内野手(30)が3戦連発弾を左翼席中段に放り込んだ。5回、先頭で打席に入ると、カウント3-0からの4球目を完璧に捉えた。ヤクルト先発ナーブソンの真ん中高めの直球を強振。ゆったりとした足取りでダイヤモンドを1周し「打てて良かったです」と、いつも通り淡々と振り返った。

 本塁打の意義は勝利だけにとらわれるものではない。今季はここまで11本塁打を10試合で積み上げてきた。中村が本塁打した試合の勝敗は3勝7敗。勝率がいいとは言えない。だが、日本人屈指のアーチストらしいこだわりがある。

 中村

 そりゃ、サヨナラとか逆転のホームランはかっこいいと思う。でも、無駄なホームランは1本もないと思っている。

 自分本位の打撃をしているという意味ではない。「たとえ試合に負けても次の試合につながるし、見に来てくれているファンも喜んでもらいたい」と補足した。勝利が最大目標に変わりはない。この日は1点差に迫られた場面での1発で、白星をたぐり寄せた。中村は、主砲の宿命をしっかりと自覚している。【為田聡史】