<巨人5-3ロッテ>◇9日◇東京ドーム

 動いて首位固めだ。巨人は5月14日以来となる4番村田修一内野手(33)が先制打を含む2安打2打点と機能。つられるように前後の打者も活発で、ロッテに連勝した。原辰徳監督(55)は好投の先発今村を6回途中であきらめ、攻めの継投で相手の反撃を封じた。2位広島との差を1・5に広げた。

 動いて勝つ。原監督が決意を定めたのは、6月4日ソフトバンク戦だった。エース内海が肩に異変を訴え、当日に先発を回避した。

 偉大な父を5月29日に亡くした。チームを離れず指揮を執っていた。師は言った。「逆境の時にどうするか。逆境で強さを見せるのが本当の男だ。真価が問われる」。しまっていた金言を引っ張り出した。「勝たなくては」と決めた。先発を1回で降ろし、攻めに徹すも結果は5-13。完敗だった。「今、このチームは弱い」と悟った。

 信念を再確認した。サッカー日本代表、ザッケローニ監督と重ねた。ザックが以前、東京ドームに足を運び、指揮を見たことを知っていた。監督室に、背番号88の代表レプリカユニホームを飾った。「役どころが流動的な上に、絶えず動いている中で、戦略を立て、決断しなくてはいけない。サッカーの監督の方が、ずっと難しいだろう。ただ…」と続けた。「最後は自分。監督が覚悟を決めて、決断するしかない。動いて出た結果が、どうなろうと、下を向く必要なんかない」。父から学び、経験を加えて導き出した結論だった。

 動いて勝つ。被安打2の先発今村を、6回1死、連続与四死球の時点で下げた。攻めの継投に転じ、代打策のロッテ伊東監督とのしのぎ合いになった。3点差とされた7回1死一、二塁。ためらいなく山口を送り、イニングまたぎを命じ、難局を突破した。「死球、四球だった。後はブルペンに任せよう」と振り返り、首位固めの核心に触れた。

 4番村田。5月14日以来だった。「内容あるバッティングをしていたから。それで(開幕)スタートしている」。坂本が右足首痛でスタメン落ちする要素もあったが、「4番村田」という重い決断は「比較的、早かった」と言った。試合前に大駒を動かし、4番は先制打を含む2打点で応えた。待ちは愚。動いて勝つ。本命が来た。【宮下敬至】