<阪神0-6ソフトバンク>◇9日◇甲子園

 もう、じだんだを踏むわ~。18安打14得点の大勝から1日過ぎたら、3安打完封負け。昨季までの仲間スタンリッジに痛烈なお礼参りを受け、12球団勝利のおまけまで付ける屈辱的な黒星だ。6回のチャンスでは2年目阪神の緒方凌介外野手(23)がベースを踏みそこねて逆走するチグハグ走塁。このままじゃ、パ・リーグ球団に踏みつぶされる~。

 見たくない光景だった。消化不良の虎党が、試合後に叫んでいた。「戻ってきてや~」。カムバックコールを送った先には、完封勝利のスタンリッジがいた。昨オフ、1軍外国人枠の関係で泣く泣く契約を切った優良助っ人に、最後まで「0」を並べられた。今季3度目の完封負け。前日爆発した猛虎打線は眠ったままだった。ナイターに強い「夜王」右腕にひねられては、虎将も唇をかむしかなかった。

 和田監督

 あの走塁でちょっとね…。自ら流れがこっちに来そうなところを放棄してしまったような形になってしまったので。止めてしまったな。

 乗れないチーム、乗れない攻撃の象徴があった。「あの」と指摘したボーンヘッドは6回に起きた。先頭緒方は四球を選んだ。続く上本が粘った末に右中間をライナーで破った。さあ反撃開始!

 と思った瞬間、歓声が止まった。三塁へ向かっていたはずの緒方があわてて二塁へ引き返した。まさかのベース踏み忘れで、踏み直し。結局、三塁ストップで、三塁を狙おうとしていた上本もあぜんとした表情のまま二塁で止まるしかなかった。

 高代内野守備走塁コーチ

 論外や、論外。小さいころからベースを踏めと教わっとるやろ。

 グルグル腕を回していた三塁コーチも、あきれるしかなかった。それでも無死二、三塁で、2番大和からクリーンアップ…。その攻撃で1点も取れなかった事も問題だが、勢いをそぐ走塁となってしまった。緒方は直後の守りから交代。「反省の意味」と聞かれた和田監督は「そういうことやね」と懲罰の意味合いを明かした。7日にプロ1号を放ったばかり、売り出し中の2年目野手は「自分のミスなので、しっかり反省して、結果で取り返せるように頑張ります」と神妙だった。

 前日8日に11カードぶりにカード初戦を取ったのに、弾みはつかなかった。連勝は5月18日DeNA戦が最後。交流戦では皆無で、1カ月近く、白星を続けられないままでいる。まさに昨日の友は今日の敵…。屈辱的な完封負けで、貯金を再び2に減らして、明日11日からはロッテ、西武の待つ関東遠征。若虎は必ず、失敗を成長への糧にするはずだ。【近間康隆】<過去のベース踏み忘れ>

 ◆長嶋茂雄(巨人)58年9月19日広島戦

 同点の5回、鵜狩から左中間へソロアーチも、広島の一塁手藤井が「踏んでいない」とアピール。竹元塁審がこれを認め、本塁打は取り消されて投ゴロに。

 ◆ガードナー(広島)81年7月19日大洋戦

 4回無死一、二塁で右翼席へ運ぶ。ところが捕手の辻が「ホームをまたいだ」と踏み忘れをアピールし、記録は2点三塁打。

 ◆阿部慎之助(巨人)13年8月29日阪神戦

 1回1死一、二塁で村田の左翼への大飛球をマートンが好捕。次打者が打席に立つ前に、審判が3アウトを宣告。帰塁の際に一塁走者の阿部が二塁を踏まなかったのを、西岡が見逃さなかった。