<阪神0-6ソフトバンク>◇9日◇甲子園

 猛虎打線が元同僚スタンリッジに完封された。象徴的だったのは初めて走者を出した4回1死一、二塁。ゴメスは追い込まれてから外に逃げるスライダーを振って三振。スタンリッジの移籍後も連絡を取り合い、だれよりも対決を楽しみにしていたマット・マートン外野手(32)も同じボールで空振り三振。クリーンアップは無安打に封じられた。

 散発3安打で完封負け。相手は昨季まで4年間、ともにプレーしていた右腕だったが、野手にとってはキャンプの練習などでしか「対戦機会」のない投手でもある。背中から見つめていた姿と打席に立ったイメージは、それほどまでに違ったのか。関川打撃コーチは悔しそうに振り返った。

 「うまくばらついていた。適度に荒れて、逆球が効果的になってしまった。まだ、まとまっていた方が対策は立てやすかった」

 要所で外角低めに速球、スライダーをコントロールされた。4打数無安打に抑えられたマートンも脱帽だった。

 「すばらしかった。きょうのジェイソンと戦って、今年対戦した投手の中で一番素晴らしかった」

 昨年オフ。新4番ゴメスと新守護神呉昇桓を獲得したことで、外国人枠からはじき出された形のスタンリッジと契約をしなかった。元同僚の強烈な恩返し…。マンモスに詰めかけた虎党にとって、スコアボードに並んだ9個の「0」が、普段より重く感じたかもしれない。【鈴木忠平】