<楽天8-2ヤクルト>◇13日◇コボスタ宮城

 たまっていた鬱憤(うっぷん)を、自らのバットで振り払った。楽天聖沢諒外野手(28)がヤクルト戦で決勝の1号ソロを放った。2-2の4回先頭で、赤川の直球を逆方向の左翼席まで運んだ。連続無安打を12打席でストップした。負ければ、3年ぶりの単独最下位という土俵際で貴重な働きだった。

 忘れかけていた感触を取り戻した。2-2の4回先頭だった。お互い1点ずつを小刻みに取り合う展開。ここで、聖沢が大きな仕事をした。ヤクルト赤川から決勝ソロを放った。初球ファウルの後の2球目。外寄り高めの138キロを「自分のスイングができた」と、完璧に捉えた。逆方向へ、今季1号ソロとなった。

 12打席連続無安打中だった。昨季までは中堅レギュラーも、今季はスタメン落ちもある。4月後半には、体調不良で2軍落ちも経験した。「モヤモヤしていた。肩の荷というか」。そんな心の重さを振り払った。8回の第4打席では、無死一塁で左前打。ランエンドヒットを成功させダメ押し点につなげた。「ホームランの後、左前打も打てたのが大きかった」と喜んだ。

 復調のきっかけは、日々の練習にあった。ティー打撃でスタンドティーを使用。あえて、内角ギリギリの体に近いところに置いた。しっかり肘をたたんで打たないといけない。「練習で難しいところを打てば、試合では楽ができるので」と意図を明かした。フリー打撃でも、打席の中でタイミングの取り方をいろいろと変えながら打った。もっとも、結果を出しても「試行錯誤しながらですね。2本出たので、明日も続けて、自分のものとなったらいい。まだ偶然かもしれないので」と気を緩めなかった。

 この日は、腰痛で休養中の星野監督の早期復帰を願う「星野仙一デー」として開催された。聖沢は、11年に就任1年目の星野監督に言われた「お前を一流にしてやる。必死で頑張れば、一流になれる素質をもっているんだから」の言葉が忘れられないという。「監督が帰ってくる時、順位を上げるつもりでやっているけど、僕はチームに迷惑をかけている。2本打っても、監督はまだまだ安心しないでしょ」と言った。気持ちは1つ。もっと打って、勝ちに貢献するだけだ。【古川真弥】