<楽天1-3巨人>◇14日◇コボスタ宮城
巨人菅野智之投手(24)が、7回1/3を無失点に抑え、リーグ単独トップの8勝目を挙げた。9日に発熱の症状を訴え、12日の日本ハム戦を回避。首脳陣の配慮、穴を埋めたリリーフ陣への恩返しを誓ったマウンドで快投を演じた。昨年の日本シリーズで田中(現ヤンキース)に投げ勝った、思い出の地・仙台で進化の跡をしるした。
原監督がベンチから出た瞬間、菅野はマウンドの後方に下がった。7回1/3を投げ、球数は118。心身ともに余力たっぷりで、マウンドを譲りたくなかった気持ちが、背中からにじみ出た。「もう少し、長いイニングを投げられれば良かったですが…。次は長いイニングを投げられるように」。勝利に浸ったのは、ゲームセットの一瞬だった。
日数を見れば「たかが」2日でも、「されど」2日だった。8日夜に38度台の発熱。洋服を着込み、スポーツ飲料をがぶ飲みして、37度台に戻したが、9日の試合前練習は、東京ドームに向かうのがやっとだった。つばも飲み込めず、ほとんど眠れなかったが、あくまでも12日の日本ハム戦に照準。病院で点滴を打ち、10日の練習は全メニューを消化した。
先発としての使命感だったが、首脳陣の決断は、大事を取る形での中7日だった。「投げるつもりだったので、やっぱり悔しかった。それに…。チームに迷惑をかけ、リリーフの方にも申し訳なくて」。12日の同戦、必死の継投で1勝をもぎ取った仲間の姿に、テレビの前でグッと唇をかみ、拳を握った。「完投します」。そう、心に誓った。
気持ちの強さが、心身を支える。昨年9月15日の広島戦、前日に39度台の発熱があったが、マウンドに立った。「骨が折れていたら諦めますが、熱があるだけなら僕は投げます」と言う。なぜ、そんなに強いのか-。源を聞かれ、「意地と根性。それだけです」と続けた。
マウンドに上がった瞬間、頭をよぎったのは、昨年の日本シリーズだった。第6戦で田中に勝利。無敗の男に黒星をつけた意味は重く、貴かった。「自分にとっての財産。去年もここで投げたな、と思い出しながら投げた」。リーグトップの8勝目を挙げ、チームは5連勝で貯金は今季最多の10。引き寄せたのは、菅野だった。【久保賢吾】



