<巨人8-0オリックス>◇17日◇東京ドーム

 巨人長野久義外野手(29)がオリックス西攻略の先導役となった。4回2死一、二塁で右翼フェンス直撃の適時三塁打で2点を先制。5回には阿部の140メートル特大3ランで今季1試合2失点以下だった西から6点を奪い、KOした。交流戦首位攻防戦の初戦を完勝で制し、昨季開幕時に並ぶ7連勝。最短で19日に2年ぶり2度目の交流戦優勝が決まる。

 無双状態だった西を打ち崩したのは長野だった。4回2死一、二塁。2ボールから外角高めのスライダーをたたく。特有の逆方向へ伸びる打球で、右翼フェンス最上部に直撃する適時三塁打で2点を入れた。防御率1・08のスーパー右腕に、さらにロペスが連続適時打。一気に3点を奪った。「試合前にテレビで西君が今季11試合で1試合2失点以下というのを見た。すごい投手だなと。だから、ホセ(ロペス)の3点目がうれしかった」と手柄を譲るように話した。

 チームに救われ続けていた。交流戦序盤は不振に苦しみ、犠打失敗で代打も送られた。不振の最中、原監督は父貢氏が亡くなった翌日もマンツーマン指導してくれた。「別の方から聞いたのですが、本当は練習に来なかったかもしれないのに『長野を見なきゃ』と来ていただいたと。ありがたいです」。感謝と恩返しを誓っていた。

 先制適時打の直前には、村田が強肩糸井の前に本塁で憤死した。流れは相手に傾きかけていたが、一振りで再び手繰り寄せた。もともと、仲間への思いは強い。オープン戦で内野手の藤村が緊急で外野手起用された時は、救いの手を差し伸べた。「長野さんが緊張している僕を笑わせて、笑顔にしてくれた」(藤村)。心優しき男だ。

 難攻不落だった西をKOしたのは阿部の驚弾だった。5回無死一、三塁。内角低めのチェンジアップをゴルフのドライバーショットのようにすくい上げた。ファウルにせずに、2階席に飛び込む力と技が合致した140メートル弾に「バットが抜けた感覚だった。今シーズン一番の手ごたえだったよ」と満足げだった。

 西から6点を奪いKOした打線の起点となった長野に原監督も、たたえた。「今季一番価値のある打席だった」。パ・リーグ1位、交流戦2位オリックスとの初戦を制し、2年ぶりのタイトルは間近。巨人の強さが止まらない。【広重竜太郎】

 ◆交流戦優勝の行方

 優勝の可能性を残すのは巨人、オリックス、ソフトバンク、ロッテ。17日にはオリックスの自力優勝の可能性がなくなり、自力優勝できるのは巨人とソフトバンクだけになった。首位巨人の最短V決定日は19日。19日のV条件は巨人が18日オリックス戦に○の場合、ソフトバンクが19日ヤクルト戦に△か●。巨人が△ならソフトバンク●で決まる。