<阪神1-5楽天>◇22日◇甲子園

 悪い夢を見ているようだ。虎が交流戦10年目でワーストの結末に終わった。完封負けは逃れたが、3連敗締め。とうとう貯金もはき出してしまった。球団史上交流戦最低勝率にとどまり、これまでの最低順位(10位)を下回って11位になることが確実。猛虎よ、リーグ戦再開後は、目覚めてくれ-。

 涙も尽きた。反撃ムードを静めるかのように、終盤の甲子園は小雨が舞った。パの猛者と戦った1カ月は本拠地3連敗でフィニッシュ。6回に24イニングぶりの得点でワッショイした虎党も、諦めの境地だったのか。退屈しのぎに、リリーフカーのバック駐車で盛り上がっていたほど。10年目の交流戦は球団最少タイの9勝でワーストの勝率、過去最低の順位に沈んだ。

 和田監督

 6回のチャンスでもう1、2点取れたら、また流れも変わってくるんだろうけど。あそこで止まってしまったな。

 エース能見が崩れた。盛り返したのは6回だった。美馬の危険球退場によるドタバタに3本の安打をたたみ掛けて、まずは1点。なおも1死満塁は今成の併殺打でついえた。何とか屈辱の3連続完封負けを免れるのがやっと。交流戦11位のチーム打率2割4分7厘に、ホームは遠かった。

 和田監督

 完全に調子崩しているわけじゃないけど、重いというか展開的なこともあったし。甲子園でDHをうまく使えなかった。ビジターは五分で乗り切ったけど。

 楽天に約2カ月ぶりの連勝を献上し、パ6球団どこにも勝ち越せず。8カード目にやっと取れた初戦は2勝10敗。9回にひっくり返された5月28日西武戦と6月3日楽天戦、同6日オリックス戦も8回に3点差を逆転された。歯車がかみ合わないまま続いてきた悪夢…。甲子園での指名打者はゴメスと新井、新井良を起用したが、聖地で3勝だった。

 和田監督

 今から反省しても仕方がない。この4日間が打つ方も投げる方も立て直す期間。文字通りゼロからのスタートになる。集中力持って、新鮮な気持ちで、もう1回やりたい。

 4月11日からせっせとこしらえた貯金は「すってんてん」になった。交流戦優勝の首位巨人とは今季最大の5・5ゲーム差。2カ月連続で月間勝ち越しがなくなった。悲観的な数字が並ぶが、これだけで踏みとどまった感もある。27日からは1ゲーム差に迫られた中日との3連戦。西岡の復帰も近づく中、リーグ戦再開までの4日間で仕切り直し。尻すぼみになるのは、まだ早すぎる。【近間康隆】