<巨人5-0阪神>◇12日◇東京ドーム
巨人杉内俊哉投手(33)が、プロ野球史上最速の2000奪三振を達成した。6回2死、阪神上本を直球で空を切らせて達成。1930回2/3での到達は石井一久の1967回2/3を抜き、歴代最速。チーム今季初の完封勝利となる7勝目(3敗)で、メモリアルデーを飾った。8連勝中だった阪神の勢いを止め、前半戦の首位ターンが決まった。
追い求め続けるボールで決めた。6回2死、巨人杉内は上本を高めの直球で空を切らせた。グラブをポンッとたたき、マウンドを下りる。ベンチ前で花束を掲げ、丁寧に頭を下げた。「勝って良かった。本当に。三振はどうでもいいかな」。史上最速の1930回2/3での達成よりも、今季チーム初の完封での7勝目の感傷に浸った。
憧れだったチームで偉業を打ち立てた。幼少期、夢中で追ったのは篠塚や原だった。「打つのが好きだった」。中学、高校と進み、“ドクターK”の称号とともに野球史を刻んだ。ソフトバンクに入団し、奪った三振は1597。11年オフ、FA移籍を決断した杉内に、球団から提示されたのは重く、尊き、栄光の背番号「18」だった。
杉内
何年たっても、重みは変わらないです。巨人の18番ですから。すごく重く、プレッシャーのある番号です。だから、この2年は悔しい気持ちしかないです。でも、そのプレッシャーがあるから、頑張れる。
2年連続2ケタ勝利を挙げても、CS、日本シリーズなど、ポストシーズンでの不振から「全然、満足できません」と振り返った。巨人の背番号「18」はどうあるべきか-。求められる数字、期待、姿を最も理解するのは自分だった。
巨人の「4番」を務めた原監督は、看板を背負う意味を肌で知る。現役時代、三塁から見つめた堀内、桑田の姿。脳裏に刻まれる「18」はたくましく、ファンの大きな期待に応えた。
原監督
巨人の18番に対して、ファンの目はすごく厳しくって、正直なんだ。勝ってほしい試合に勝てないと、何してる、となる。1年、2年と活躍できなかったら、ファンは忘れてしまう。エースナンバーはそれだけ重くて、期待されている。だから今年は本当の勝負なんだ。
三振へのこだわりを聞かれると「勝たなきゃ、意味がないです」と繰り返した。巨人の「18」に求められる宿命からだった。原監督は「若返ったように感じる。眠っていた細胞がむくむくと起き上がって。でも、まだまだ途上。後でニンマリと笑えばいいんだ」と評した。「3000三振ですか?
それなら200勝したいです」。「18」の重圧を受け止め、杉内は前に進む。【久保賢吾】
◆巨人杉内の奪三振論
三振とは、と聞かれ「(アウトを取るのに)手っ取り早いと思います」と答え、「キャッチャーが捕れば、リセットできますから」と続けた。局面を自らの力で打開でき、試合をコントロールできる手段。「どの球種でも空振りは取れる」と自信を見せ「追い込んだら狙います」とも言った。



