<西武6-5オリックス>◇13日◇西武ドーム

 試合前練習が始まると、西武田辺徳雄監督代行(48)の姿はまず、左翼線にある。「(外野で練習する)投手も近くで見られるし、打撃も全体的に見ることが出来るからね」。これまで“専門外”だった投手の練習を含め、チーム全体のコンディションチェックに目を配る。

 そんな観察眼が、この日の打順に表れた。代行就任以来、2番で使い続けてきた渡辺を6番に下げた。「(渡辺の)打席に向かうルーティンにいつもと違う雰囲気がある。ずっと出続けて疲れもたまってきてる。いないと困るから、今日は(打席数を)減らして」と説明。起用がピタリとはまった。渡辺は7回に同点のスクイズを決め、9回にはサヨナラ勝ちにつながる犠打。「スクイズは、打撃の調子が(疲労から)よくないし、サインが出る気がしていた。やっぱりなと思いましたよ」(渡辺)。以心伝心だった策が、失敗するはずもなかった。

 7月4度目のサヨナラ勝ちで、再び4位に浮上。この勢いの根底にも、田辺流がある。試合後のミーティングは極力短く、が基本方針。そして「担当コーチには勝った試合の後はミスがあってもほめてくれ、と伝えている。反省も当然大事だけどミスをしたら本人が一番分かってる。勝った時の勢いは帰るまで持っていた方がいいでしょ」。

 炭谷のサヨナラ打の瞬間を見ていなかったという田辺監督代行。10回の守備に頭を悩ませていたからだった。采配で楽しいと思うことはまだない、と言うが、その手腕が確実に上昇気流を作っている。【佐竹実】