<巨人4-6阪神>◇13日◇東京ドーム

 ミラクル弾で虎が巨人に待ったをかけた。2点ビハインドの7回2死満塁。阪神関本賢太郎内野手(35)が、代打逆転満塁弾をぶちかました。虎戦士の巨人戦代打逆転満塁弾は初めて。前夜に連勝は8で止まったものの、劇弾で息を吹き返し、勝負の3連戦を2勝1敗で勝ち越し。巨人にはまだ3・5差あるが、再び2位に浮上した。

 鳥肌が立つ弾道だ。東京ドームの左翼席が歓喜に包まれる。2点を追う7回2死満塁。関本が沢村の直球を完璧に打ち抜くと左翼席へ飛んでいった。「まさか、まさか…。入らへんと思った。さすが東京ドーム!」と全力で走りだしたが、2年ぶりのアーチは劇的すぎる代打逆転満塁本塁打となった。

 打線は沢村に6回まで4安打に封じられていた。関本は2ボールからの3球目直球をファウル。仕切り直しの高め直球を打ち砕いた。巨人戦での代打逆転満塁本塁打は球団史上初。その一撃に「身震いというか、武者震いというか。何が何でも打とうという感じでいきました。1打席勝負。代打で得点圏ばかりで、難しい球に慣れてきたわ!

 甘い球を見たことがない!」と声を上ずらせた。

 08年以来、自身3度目の満塁弾。「代打の神様」の面目躍如だ。出番、相手投手、実戦感覚…。代打には、あらゆる難しさがつきまとう。だから、試合前も工夫する。大半の選手がルーティンのなかで打撃練習を行うが関本は違う。前日12日は球の高低を想定してスタンドティーを高め、真ん中、低めの3段階に調節して打ち込んだ。この日は真ん中の高さで、バントの構えから前にステップを刻んで振り抜く動作を続けた。型にはまらない。動いている勝負のなかで臨機応変に対応できる柔軟さがある。

 もう、プロ18年目になった。若い頃は大型の長距離砲として期待されたが、軽打もできる技巧派として生きる。「大きいのを狙っても、年間5本くらいでしょう。試合に出るためには、それしかなかった」。時には“長所”も捨てる。渋く、したたかに、たくましくグラウンドに立ち続ける。

 1点差に迫られた9回も1死三塁で中前に運び、勝負を決めた。08年以来となる5打点の大活躍で、宿敵に2勝1敗と勝ち越した。痛快な逆転勝ちで再び2位に浮上。こんな頼もしいベテランが土壇場に控えている。【酒井俊作】