<中日8-6広島>◇13日◇ナゴヤドーム

 逆転の竜だ。中日が序盤の4点ビハインド展開から逆転勝ちした。6回、7年目谷哲也内野手(29)がプロ初の決勝打。遅咲きの背番号70は「人生変えてやるという気持ちだった」と必死のスイングで勝利をたぐり寄せた。4点差以上の逆転勝利3度は両リーグトップ。2カード連続の勝ち越しを決め、今日から本拠で2位阪神を迎え撃つ。

 プロ野球人生の逆転を狙う男が、チームを逆転勝利に導いた。お立ち台に上がった谷は、またあのフレーズを使った。「人生変えてやるという気持ちでいきました!」。4安打の初猛打賞を記録した6月29日阪神戦(甲子園)後にも好んで使った言葉は、まさに本心。昨季まで通算5安打で鳴かず飛ばずだった7年目が堂々のプロ初V打だ。

 試合を決める劇打は1点を追う6回。1死一塁から藤井の右翼線二塁打、大島の右前適時打で同点とし、続く谷が3球目スライダーを中前に運んだ。「最初のストライクを1球で仕留めるつもりだった。1点ずつ返せば、まだ分からないと思っていた」。序盤に4点をリードされる劣勢からジワジワと追い上げ、最後は谷が突き放した。

 「たまにスタメンと言われるとガチガチになるけど、それが少しは慣れてきました(笑い)」

 昨季まで6年間で出場30試合に止まっていたが、それが今季はすでに25試合に出場している。家に帰れば今年2月に生まれた長男が待つ新米パパ。「今は早く家に帰りますよ。夜泣きもしない優秀な子なんです」。愛息のかわいい寝顔が谷を奮い立たせている。

 谷のように、今年のチームは最後まであきらめない。この試合が今季16度目の逆転勝ち。4点差以上の逆転に限れば、12球団トップの3度目だった。最後までマスクをかぶった谷繁兼任監督も「粘り強く最後までやることができた。今日みたいな試合は全員で勝ったという感じ」とほめた。

 球宴前最後となる9連戦でヤクルト、広島と2カード連続で勝ち越し。指揮官は「今日みたいに粘っこくいきたい。総動員で勝っていかないといけない」と号令をかけた。今日14日からは阪神3連戦。ペナントレースをおもしろくするのは逆転の竜だ。【桝井聡】