<巨人1-12ヤクルト>◇14日◇東京ドーム
自力V消滅の危機だったヤクルトが、首位巨人をねじ伏せた。3回に飛び出た山田哲人内野手(21)の同点13号ソロが逆転の合図だった。山田は3安打3打点3得点と1番打者としてチームをけん引。先制を許した石川雅規投手(34)も、援護を受けると立ち直り、8回を最少失点で抑え6勝目を挙げた。投打で圧倒。最下位の試合運びではなかった。
自分の役割は出塁-。山田の強い思いは、反撃合図の本塁打となった。1点を追う3回先頭だ。「ボールに手を出さず、何が何でも塁に出よう」と打席に立った。2-2から外角高めに抜けたスライダーを振り切ると、左翼スタンドに突き刺さった。「変化球に自然と反応できました。完璧な当たりでした」と自画自賛した。
5回は押し出し四球を選び、7回は適時打。9回に二塁打で出塁して生還した。今季11度目の猛打賞で3安打3打点3得点のトリプルスリーの大活躍。1番打者のけん引に、石川は3回以降無失点。打線は今季最多タイ19安打で12点を奪った。負ければ自力優勝の可能性が消える、悲痛な立場の最下位だが、どちらが首位か分からない一方的な展開だった。
強い思いは、直訴にもなる。12日のDeNA戦は、39度4分の発熱で欠場した。試合前に小川監督に「やらせて下さい」と直訴したが、却下された。昨年も発熱で1試合欠場したことがあった。すると現役だった宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)に体調管理の甘さを指摘された。レギュラーの覚悟を問われ、返す言葉もなかった。実らなかったものの、1年前の反省が直訴になった。
原監督には、直訴できなかった。試合前、球宴初出場に推薦してくれた原監督にあいさつ。激励の言葉をもらったが、締めはユーモアいっぱいに「熱出たし、オールスターは無理だね?」だった。原監督から出場直訴を求められた格好だが、緊張のため「すいません」としか言えなかった。チームの連敗を5で止めた立役者でも「チームのことを話すのは苦手です」と、プロ4年生は控えめな態度を崩さない。「走者がいても安打を狙いはしません。出塁だけを考える」のが持ち味と話す。山田の真っすぐな思いが、本塁打となり、巨人撃破につながった。【金子航】



