<中日1-8阪神>◇15日◇ナゴヤドーム

 虎の快勝劇の突破口を切り開いたのは阪神上本博紀内野手(28)だった。初回フルカウントまで粘った末に左前打を放つと、次打者大和の初球で思い切りよくスタート。盗塁を成功させたことで立ち上がりに不安を持つ雄太を揺さぶり、続く大和の四球、鳥谷の3ランへつながっていった。

 さらに7回にも四球で出塁すると、2球目に盗塁を成功させた。ここから3得点につながった。これで今季10盗塁。得点につながる効果的な2盗塁で12年以来の2ケタに乗せたが、試合後は上本らしく多くを語ることはなかった。

 「結果論なんで。何とも言えないです…」

 それでも、周囲は上本の貢献に賛辞を惜しまない。和田監督も勝利のポイントとして挙げた。

 「(鳥谷の3ランは)万人がほめてくれるだろうけど、まずは上本が出て、果敢に走った。流れを持ってきたヒットと盗塁だった」

 8回にもじっくりと球を見極めて、四球を選んだ。すべての打席で集中力が際立っている。猛虎打線の爆発は上本から始まる。7月快進撃の立役者の1人は、この日も渋く、輝いた。【鈴木忠平】