<巨人5-2ヤクルト>◇16日◇東京ドーム

 若き大黒柱で、力強く首位ターンを決めた。巨人先発の菅野智之投手(24)が、ハーラートップタイの9勝目を挙げた。好調ヤクルト打線に対し慎重に立ち上がったが、尻上がりにエンジンを吹かし、8回を1失点にまとめた。開幕投手を務めた2年目が、後半戦もチームをけん引する。

 菅野が「勝つ投球」をした。ここ2試合で29安打、15得点のヤクルト打線が前半戦最後の相手だった。「慎重にいきすぎた」と初回だけで31球を投げた。制球の鬼にしては珍しく、3ボールの状況が多かった。無失点で立ち上がると、すぐさま修正に入った。

 阿部からカーブを多く要求された。「腕が下がっていたところを修正する意味もあったと思う」と、リリースポイントを上げた。「かなり走っていた」最速153キロの直球に緩急を加え、より速く見せ、かつ制球も整えた。5回2死。絶好調の山田を迎え、格の違いを見せつけた。カウント2-2からの8球目、外角スライダーで空振り三振に仕留めた。2戦連続でスライダーを本塁打している相手、同じ球種で勝負した。中盤の要所を自力で突破し、悠々と8回まで。ハーラートップの広島前田、DeNA井納に肩を並べた。

 並々ならぬ気持ちで臨んだ。首位攻防の1日の広島戦。チームは試合には勝利したが、7回途中6失点。「言葉が出てこなかった。ふがいなさで、はらわたが煮えくりかえった」。常に気さくに取材対応する菅野が、語気を荒らげた。9日のDeNA戦ではプロ入り初の連敗。前半ラストの登板を「勝ちきるのか、修正できるのか。(自分の)分かれ目になる」と位置づけ、有言実行で結果を出した。

 前半戦の大目標に掲げていた10勝には届かなかった。それでも「何としても勝ちたいです。勝って、後半戦に臨みたいです」と、重みある9勝目となった。原監督は「いいピッチングだった。勝てない日々で勝負の厳しさを知ったと思う」と言った。菅野は、前半戦を振り返って「もっと勝てたと思います」とあえて厳しく律した。菅野で力強く始まった巨人の14年。菅野で力強くターンした。【栗田尚樹】