<中日0-2阪神>◇16日◇ナゴヤドーム
今季のメッセはカリカリしても崩れない。阪神ランディ・メッセンジャー投手(32)は1回に安打と2四球でいきなり2死満塁のピンチを背負った。際どい判定に顔をしかめ、不穏な空気が流れる。だが大崩れしないどころか、無失点で切り抜けた。フルカウントから藤井を右飛に打ちとると、2回以降は本来の姿を取り戻した。8回3安打無失点13奪三振。最速152キロの直球を外角低めに決め、和田虎を前半戦白星締めに導いた。
「満塁はうれしいことではないからね。チームにとっても自分にとってもよかったよ。判定も審判の言うことだから、仕事に集中することを心がけたんだ」
午前8時。早起きして米大リーグの球宴をテレビでチェックした。ア・リーグの先発でマリナーズ時代の同僚ヘルナンデスの投球を目に焼き付けた。1回1安打2奪三振の投球。自身もメジャー通算173試合に登板している。刺激を受けないはずがなかった。
「本当に野球を楽しんでやるんだ。いつもの戦いとは違ってね。だから楽しみにしているんだよ」
スターの共演には心が躍る。少年時代のメッセはシャイな男の子だった。プロ野球選手を目の前にしても「サイン下さい」が言えなかった。豪快なイメージと裏腹な繊細な一面。だからこそファンサービスを忘れない。さらにプロになった今でも細かな調整として表れる。前回登板から中4日。通常2日前に入るブルペンに入らなかった。自らの繊細な感覚を頼った。豪快さと優しさ、繊細さも快投を導いたと言えるだろう。
完封も見えたが、中4日の影響と8回までで118球を要したことを考慮され、最後は呉昇桓にマウンドを譲った。だが後半戦も前半戦同様、優先的にローテを回り、フル回転が期待される。疲れ知らずのタフさと、安定感。信頼はその域まで達している。
シーズン序盤こそ負けが先行したが、最後に自身3連勝でチームトップの8勝目。「後半もこの投球を続けていきたいね」。首位巨人に離されることなく、ついていく。虎の中心には豪快で繊細な、心優しい男が座っている。【池本泰尚】
▼阪神投手陣は中日から15三振(メッセンジャー13、呉昇桓2)を奪った。前日15日は完投した藤浪が13奪三振。2試合連続13奪三振以上は、6月15日の西武戦で15(メッセンジャー13、安藤2)17日の日本ハム戦で16(藤浪13、呉昇桓2、福原1)を記録して以来。いずれも藤浪とメッセンジャーが先発時に多く三振を奪っている。



