<オールスターゲーム:全パ0-7全セ>◇第1戦◇18日◇西武ドーム

 コイだけじゃない。鳥も祭りに参戦だ。マツダオールスターゲーム2014第1戦は、全セが完勝。広島勢に負けじと阪神鳥谷敬内野手(33)もメモリアルな活躍を見せた。3回、5度目の球宴で初打点となる初適時打、5回はあと1メートルでスタンドインの二塁打と9年ぶりマルチ安打を記録した。甲子園での第2戦は1番でスタメン予定。まだまだ暴れたりない。

 球宴仕様のオレンジ色スパイクが西武ドームのフィールドに映えた。赤ヘル軍団に負けじと鳥谷が猛虎魂を見せつけた。巧みなバットコントロールでファンを魅了したのは3回だ。全セが1点を先制し、なおも2死一、二塁。オリックス西に追い込まれた後の4球目だ。外角高め直球をバットの先端でとらえて中前に適時打を放った。

 「打席に立てて、ヒットを打てたので良かった。打席で何も考えずに立てるのは、シーズンでなかなかない。どんどん行こうと」

 球宴は3年連続5度目だがクリーンアップでの先発は初めて。2年ぶりの安打は意外にも球宴27打席目での初適時打、初打点になった。今季は打率3割1分9厘と好調を維持。初めて選手間投票で選出され「特別な思いがある」と話していた。試合前は巨人坂本と遊撃で守備練習。黄色と水色の球宴仕様ド派手グラブをはめた背番号1は、今や若手が目指すべき存在だ。

 走攻守3拍子そろったプレースタイルの「原点」になったのが、西武の本拠地だった。故郷の東京・羽村市に近く、子どものころは父敏さんに連れられて西武戦を観戦した。数日前、西武ドームの思い出を問われると、間髪入れずに「西武球場ね」と笑う。鳥谷にとっては、屋根のまだなかった球場で秋山幸二(現ソフトバンク監督)の俊足強打こそ原風景なのだ。

 早大時代には同じ遊撃手の西武松井稼頭央(現楽天)のプレーが手本だった。「3拍子そろっているのが魅力的。自分の目指すところ」と話したこともある。プロに入り、着実に前進して今季は1500安打も達成。かつてメジャーでもプレーした理想像の域に達しつつある。

 5回には右翼フェンス直撃の二塁打をマーク。初出場だった05年以来のマルチ安打を記録した。あと1メートルで本塁打だったが「十分です」と笑う。05年の球宴初出場が、この西武ドーム。松坂から初安打を放った思い出にも「覚えていない」と首をかしげる。無我夢中で、プロ11年間を突っ走った証拠だろう。

 甲子園での今日19日は「1番遊撃」で先発予定。日本ハムの剛腕大谷と対戦する。「真っすぐしかチャンスがない。思い切り空振りになるかも」。頼もしい虎のキャプテンが、セ界の中心で輝きを放つ。【酒井俊作】<鳥谷の球宴VTR>

 ◆05年

 プロ2年目の初舞台は2試合とも8番遊撃で先発。第1戦で西武松坂から右前打など2安打。甲子園での第2戦でも1安打し、新人賞を獲得。

 ◆06年

 第1戦は2打数無安打。第2戦は守備から出場し、9回に左前打。

 ◆12年

 第1戦で日本ハム斎藤から二塁打。第2戦では早大1年以来の二塁を守り「投げる角度が違う」と苦笑い。

 ◆13年

 第2戦で再び二塁に入り、日本ハム大谷の強烈なゴロも難なく処理。「違和感はありませんでした。普通にやれました」と余裕の表情。