甲子園で原点回帰する。巨人原辰徳監督(55)が20日、後半戦に向けて意気込みを語った。3・5差の2位阪神戦から、リーグ3連覇へ向けたロングスパートが始まる。「力の差は感じていない」と引き締めつつ「前半戦、接戦で強さを出せた。いい面は継続していきたい。1戦1戦、粘って粘って戦っていく」と、泥くさく歩を進めていく。

 聖地で、高校球児のごとく基本に立ち返る。阪神の予想先発は岩田、メッセンジャー、能見。原監督が「両軍とも、戦い方、弱点を分かっている。最後まで諦めず、粘る」と覚悟するように、しのぎ合いは容易に想像できる。橋上打撃コーチは「甲子園では、打撃スタイルを変えるのも手。単打を重ね、つなぐ意識をより高める必要がある。ポイントを近く、コンパクトに振ることが大事。謙虚な気持ちで、大振りにならずに」と指摘。束になって好投手を崩す。

 一丸で戦いながら、打線を固める作業も並行して行う。原監督は「柱、4番を固めたい。長野、坂本。先頭を切ってもらいたい。負けじと阿部、村田が、追い風をつくる状況になれば」と“銘柄”を軸に据える腹づもりだ。キーマンに指名された長野も「ここから大変になってくる。優勝がかかって、ピリピリする試合が増えてくる。チャンスで打って、貢献できるようにしたい」と分かっている。「まだ課題はある。1つ1つ、上乗せしていきたい」と原監督。勝ちをもぎ取る中で14年版の理想オーダーを組み上げた時、歓喜が見えてくる。【宮下敬至】