<オリックス2-7ロッテ>◇2日◇京セラドーム大阪
ロッテ涌井秀章投手(28)が復活の兆しを見せる快投で、リーグを代表するオリックス金子との投げ合いを制した。6回1/3を1失点で、6月21日以来の4勝目。チームの連敗も4で止めた。ふがいなかった前半戦の自分を吹っ切り、後半戦の巻き返しを期す。チーム躍進のキーマンになるべく、どん底から立ち上がった。
不安定だった立ち上がり。涌井の明暗を分けたのは糸井への7球目だった。1回、2四球で1死一、二塁。フルカウント。腕を振って投げた144キロ速球は糸井のバットを押し込み、二ゴロ併殺打となった。「立ち上がりはどうなることかと思いましたが、あのゲッツーは大きかった」。そこから立ち直った投球が今季一番の内容になった。
7月13日の楽天戦後、無期限での2軍調整を命じられた時、伊東監督のコメントをネットの記事で読んだ。「勝ちを計算している投手で勝てないのはつらい」と言わせてしまったのが心苦しかった。そんな思いを抱きながら2軍で調整していた時、監督からの電話を受けた。「これからは結果が求められる。結果を出してくれ」とハッパを掛けられた。「電話番号も知らなかったんですが、落ちたばかりでしたし、うれしいことでした」。本気で再生に向けて取り組まなければ、という気持ちを強くした。
2軍では丸2日かけて体のチェックをすることから始めた。右足の内転筋がパンパンに張っていた。体のメンテナンスをするとともに、シュート回転の球をなくすべく右翼線に沿って一直線の球を投げられるよう、小谷2軍投手コーチと取り組んだ。当初の予定より早く、7月26日の西武戦に登板したが、その時にはまだ、フォームを固める作業が足りなかった。復帰2戦目での快投は、ある意味、計算通りだった。
走者を出してからの不安定さを払拭(ふっしょく)するため、ワインドアップを封印した。セットからの左手の動かし方も2軍で修正し、体が前に突っ込まなくなっていた。この日走者を出さなかったのは3回だけだったが、狙い通り要所を締めた。現在の成績が周囲の期待値から程遠いことは一番分かっている。「あと9試合か10試合投げるんで、早く借金を取り戻したい」と、苦境脱出のキーマンになろうとしている。【竹内智信】




