<オリックス7-6ソフトバンク>◇16日◇京セラドーム大阪
鉄平には「未来」が見えていた。オリックスが同点で迎えた8回の攻撃だ。目の前で糸井が歩かされ、2死一、二塁。「あのシチュエーションは、びっくりするぐらい想定内。驚くほど冷静に打席に立てた」。2球目のフォークを流し打った。打球は前進守備の外野陣の頭上と楽々と越えた。左中間を破る決勝の2点適時二塁打。ベテランのひと振りが二転三転の接戦に決着をつけた。今季4度目の6連勝で首位に2ゲーム差に迫った。
数字だけを見れば、攻撃力は3割打者が並ぶソフトバンクが圧倒している。それでも勝負は分からない。この2試合、総合力ではオリックスが上だった。鉄平外野手(31)が左足に死球を受けたペーニャの代わりに代走で途中出場。そのまま、指名打者の4番に収まった。守備にはつかず、戦況を見つめ、ベンチ裏でダッシュで体を温めた。そして自分の出番を想定していた。「チーム状況もある。与えられた役割で結果を残さないと」。控え選手も試合に入り込む。森脇監督は「先に出る人、後に出る人、全員で戦わないと勝てない」と言った。この一丸野球がオリックスの強さだった。
試合の消化数はソフトバンクに対し、5試合少ない。2ゲーム差をつけられているが、実質的に首位を奪ったとも言える。もちろん、ナインにそんな考えはない。「今日の勝ちは大きいが、1ゲーム差にして、ペナントをおもしろくしたい」と鉄平は意気込む。数字に表れない魅力がリーグを盛り上げている。【田口真一郎】



