<ロッテ8-2オリックス>◇20日◇QVCマリン

 中継ぎの経験を糧にした。ロッテ大嶺祐太投手(26)が5回1失点で、今季初勝利を挙げた。お立ち台では「弟に先を越されていたので、次は上がってやろうと」と言った。弟の翔太は、7日にプロ1号を放ち、初めてのお立ち台に上っていた。昨年6月30日以来の白星で、兄のメンツも保たれた。

 「前回も飛ばしますと言いましたが、もっと飛ばしていきたい」。先発復帰が決まった、前カード仙台での言葉だ。先発で5試合の登板機会を得て、0勝3敗。12日の日本ハム戦で、中継ぎ転向を言い渡された。中1日で日本ハム戦に2イニング登板したが、今度は唐川の中継ぎへの配置転換で、再び先発チャンスが巡ってきた。

 「思ったよりもストレートが良いんです。中継ぎをやった時の感覚が良かった。それが持続できている」。中継ぎの2イニングで学び、つかんだものがあると言う。「中継ぎで投げたイメージで」先発でも投げられれば、チームに貢献できると感じていた。

 この日の投球は、「飛ばす」という言葉のイメージとは違った。相手をねじ伏せようと、直球で押しまくる-。そういった「飛ばす」とは程遠い。だが、丁寧に低めを突き、走者を背負っても、余計な力みを見せなかった。1回にペーニャに先制打を浴びたが、腕力で持って行かれた打球だった。5回は1死一、二塁のピンチを招くが、安達を遊撃併殺打。冷静な投球が光った。

 伊東監督は「先頭打者を出しても併殺とかね。低めに投げていた。3回のピンチは(連続三振で)よく抑えたね」と評価した。8年目右腕に、ずっと待たれた進化の兆しが見えた。課題は継続。好投の継続を、期待したい。【金子航】