<ソフトバンク2-4日本ハム>◇26日◇ヤフオクドーム

 必死こけ!

 連敗したソフトバンク秋山幸二監督(52)がナインの尻をたたいた。1回に中田の先制適時打を処理した長谷川がダブル失策で2点先制に広げた。今季最多3失策の守備に加え、攻撃も今宮が送りバント失敗。優勝争いの佳境でピリッとせず、指揮官は緊急ミーティングで引き締めを図った。2位オリックスに2・5差に迫られた。

 ベンチ裏で「集合です!」の号令が飛んだ。勝率7割を超えるホームでは今季初となる緊急の全体ミーティング。5分間の訓示を終えた秋山監督は語気を強めた。「ふんぞり返って野球はできない。必死こいてやらんと結果はない」。1位を走っているアドバンテージの計算は無用。基本に立ち返った必死のプレーを今、ここで訴えた。

 敗れたからミスが目立つのか。その逆なのか。1回。スタンリッジの先頭打者への四球が前兆となった。1死一、三塁とされて4番中田だ。右前打で1点先制された上、右翼手の長谷川がこの打球を後逸、さらに送球ミスというダブル失策から2点目を失った。外野手では球団タイ記録の1イニング2失策。一連のプレー中に起きた珍現象で2点先制へと拡大してしまい、主導権を手渡した。

 中田の打球はバットの先で不規則な回転がつき、想定外のバウンドだった。笘篠外野守備走塁コーチは「頭を越えたのは仕方ないにしろ、あとの送球エラーはしっかりカットマンに返せば防げた失点」と指摘。ビデオでも何度も映像を確認した。「硬くなったわけではないだろうが、普段通りにやれていれば…」と担当コーチとして悔やんだ。

 直後1回の攻撃では両リーグ最多46犠打を誇る今宮が送りバント失敗。ピリッとしないムードを引きずった。6回1死二塁は明石が二ゴロをお手玉。1死一、三塁とピンチを広げて、近藤のセーフティースクイズで4点目を失った。大谷に苦戦する打線に今季最多3失策が重くのしかかった。ベンチで何度も首をひねった指揮官が、あらためて基本の大切さを説いた。

 「要はミスがでれば点に絡む。四球が出れば点に絡む。取れるところで取る。送れるところで送る。これから先はそれしかない。集中してやっていくしかない」

 緊急ミーティング後、1回の反撃適時打を含めて唯一のマルチ安打だった長谷川はミラールームへ直行。内川は無人のグラウンドでロングティー打撃。各自が反省と次戦に向けた準備に入った。必死に食らいついてくるオリックスは再び2・5差に迫ってきている。【押谷謙爾】