<ソフトバンク3-4日本ハム>◇27日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクに後半戦初の3連敗がズシリと響く。援護できなかった仲間たちはエース摂津正投手(32)を責めない。それでも摂津は自分を責めた。「何もできませんでした…。流れも持ってこれなかった」。7回4失点。チーム“負け頭”となる6敗目は、各球団のエース格と投げ合う厳しい仕事をこなしてきた証左でもある。ただ、連敗を止められなかった責任を一身に背負った。

 親指の負傷から中11日で復帰登板。1回に陽岱鋼に先制打を許した。3回は2死走者なしから。勝者と敗者を分けるシーンが起きた。「あの1発が痛かった。ホームランバッターの1発は防いでいかないと」。秋山監督も思わず声が低くなったポイントだった。

 左前打の陽岱鋼を一塁に置いて、4番中田。初球をバックスクリーン左へ運ばれ、摂津の口はあんぐり開いた。1回の攻撃で俊足の中島、陽岱鋼に二盗を決められており、緩い球を投げにくい状況で、初球の直球を仕留められた。この直前まで今季11打数1安打と抑えてきた中田に2年ぶりに2ランを献上。摂津は「打たれる時もある」と言いつつ、「せっかく2アウトとってからなのでもったいなかった」とうつむいた。相手先発の中村に打線が手を焼く中、致命傷となった。

 3連敗すべて先制を許し、逆転できず。4カ月ぶりに2カード連続の負け越しとなった。「投手が何とか踏ん張っていかないと。序盤の1点はまだ何とかなる可能性があるけれど、そのあとだな。楽には勝てないですよ。相手もいるからね」。秋山監督の耳に1・5ゲーム差で迫った2位オリックスの足音が大きく聞こえている。【押谷謙爾】