さあG倒で首位奪取じゃ!

 3連勝中の広島は今日2日から1ゲーム差で追う首位巨人との3連戦に臨む。野村謙二郎監督(47)は1日、初戦が行われる長野市内の宿舎に入り「何も恐れることはない」ときっぱり。先発陣は初戦から野村祐輔投手(25)、エース前田健太投手(26)、福井優也投手(26)の3人を立て、一気に3連勝を狙う。

 決戦の地、長野に降り立った。3連勝で首位巨人に1ゲーム差まで迫り、いよいよ敵地で直接対決3番勝負を迎える。「何も恐れることはない。本当にチームはたくましくなった」。野村監督は言葉に自信をみなぎらせた。

 王者とは昨季8勝14敗2分けで、5年連続で負け越し。CSファイナルステージでも3戦全敗で敗退している。そんなマイナスイメージはとっくの昔に消し去った。

 今季はここまで9勝7敗1分け。指揮官は「対巨人というより、選手を信じて同じように野球をやるだけ」と力を込めた。打線がつないで得点を重ね、リーグトップのチーム防御率3・63を誇る投手陣で守り勝つ。シーズンの行方を占う3連戦でも自然体で臨む。

 頼みの綱は2戦目に先発する前田だ。前回8月28日ヤクルト戦は4回5失点でKO負けを食らった。今季は巨人戦4試合に先発し、0勝2敗、防御率3・33と決して圧倒できているとはいえない。

 それでも絶対的エースだから、当然のごとく白星を計算される。そして前田は当然のごとく、期待に応える覚悟だ。「残り試合は少ない。全部勝つつもりで行かないといけない」。当たり前のように言い切った。

 今日2日の3連戦初戦に勝てば、9月以降に限れば96年9月19日以来の首位に並ぶ。2戦目は単独首位をかけた一戦となる。9月は昨季まで通算29試合登板で15勝6敗、防御率1・73。抜群の数字が頼もしい。

 「普通にやりたい。何年ぶりとか、そんなことは意識していないし、最後に優勝できなければ一緒ですから。何ゲーム差だろうが、勝つしかない。1ゲーム差というだけで浮かれるチームでもないですしね」と前田。若鯉軍団は冷静に、したたかに、王者巨人の足をすくう。【佐井陽介】