<DeNA0-1広島>◇6日◇横浜

 カープは巨人に食らいつく-。広島のドラフト1位大瀬良大地(23)がDeNA戦でプロ初完封で8勝目。プロで自己最速152キロをマークした直球で押し、5安打で最多10奪三振と躍動した。1回にもらった1点を守りきる「スミ1」完封。新人王争いでも猛アピールだ。チームは2日からの巨人戦で3連敗したが、2試合連続完封で首位巨人とゲーム差3をキープした。

 敵地のマウンドも、大瀬良のものだった。横浜の夜空に両腕を突き上げる。9回2死。左翼の赤松が体を投げ出し、筒香のライナーを受け止めた。「うれしいです。1人で投げきることができた」と表情を崩した。記念すべきプロ初完封は、プロ自己最速152キロ、自己最多10奪三振と、「自分史」を塗り替えて飾った。

 初登板の横浜で、パワー・ピッチャーの迫力を見せつけた。2回2死、バルディリスのカウント1-1からの3球目。九州共立大時代の最速にあと1キロに迫る152キロをたたき出した。終盤も、スピードは衰えない。「体全体を使って投げることができました」。長崎日大時代から練習、食事両面で厳しいノルマを設定し、つくりあげてきた体が躍動した。

 5月1日の無念も乗り越えた。甲子園の阪神戦。6-0と8回までゼロを並べながら、9回の先頭ゴメスに被弾。「あのときのことが頭をよぎりかけたけど、レフトスタンドが自分の名前を呼んでくれて。その声に勇気づけられました」。満員御礼の横浜スタジアムの、左半分以上を真っ赤に染めた応援団が「大瀬良!

 大瀬良!」の大合唱。声援にも支えられ、9回も150キロで相手クリーンアップを押しまくり、最少リードを守り抜いた。

 思うような結果を残せなかった夏場、参考にしたのが大学3年時の自分だった。「自分が一番良かった時のフォームです。今と肘の位置が全然違うんです。あの頃の方が肘の位置が高いんです」と違いを分析した。当時は有望な社会人、プロ注目の大学生が招集された日本代表の1人として、格下とはいえパキスタン戦で3回9アウトすべてを三振で奪ったこともあった。社会人の強豪チームから直球だけで2回5三振も奪った。もう1度、高い肘の位置から150キロ超の直球をたたき下ろす。ようやく投球が理想像に近づいてきた。

 8月23日からの連続無失点イニングは19に伸びた。「継続していきたい」と先を見すえる。チームが最後にリーグ優勝した1991年生まれのルーキーが、巨人追走ムードに再び火をつけた。「言うことなしだよ」。野村監督の一言が、大瀬良へのチームの思いだ。【堀まどか】