<阪神2-6巨人>◇11日◇甲子園

 巨人が阪神能見に、開始からわずか15分で先制パンチを見舞った。初回、2番橋本の死球を皮切りに坂本がじっくり見極め、阿部も連続四球で続いた。1死満塁。亀井は「ボール球だけは絶対に振らないように」と甘めのスライダーを狙い、一、二塁間を破って2点を先制。村田も内角の厳しい直球をコンパクトに左前へ運び、さらに2点を加えた。「相手が丁寧に入ってくるか、思い切って入ってくるか、見極めの難しさがある。とにかく積極的にいこう、とは決めていた」(村田)。午後6時15分には得点板に4点を刻み、勝機をつかんだ。

 わずかな時間に集中打を凝縮できるのは、日々の姿勢にある。通常の練習開始時間の約1時間半前には、ほとんどの選手がアーリーワークを開始。阪神の打撃練習の最終組は三塁側ファウルゾーンでアップをしながら、コーチ陣とともに首位打者マートンの打撃を観察した。橋上打撃コーチが「あの腕の使い方。内側の内側からバットが出ている。本当に、勉強になる」と言う。すべてを肥やしにしている。だから強い。

 原辰徳監督(56)も納得の集中打だった。「この上ないスタートを切った。相手がやや制球を乱したところで、いい打球も飛んで良かった。つながっている。四球とか、そこらへんがいい」。打線に頼もしそうだった。【広重竜太郎】