運命のいたずらか。今季限りで西武を戦力外となった山崎浩司内野手(34)の楽天入りが、前日11日に発表された。12日の紅白戦にも途中出場。5回2死満塁の楽天初打席で右前に2点適時打を放った。「たまたまです」と控えめだったが、新天地で幸先良いスタートとなった。

 楽天とは“因縁”がある。「去年を棒に振りましたね」。西武時代の昨年6月27日の楽天戦だった。1回1死満塁で打者が三ゴロを打った。二塁の山崎は二塁ベースカバーに入ったが、併殺崩れを狙う一塁走者ジョーンズと激しく交錯した。左足首の靱帯(じんたい)を痛め、約1週間後に登録抹消。その年、再び1軍に上がることはなかった。

 今季も満足な成績を残せず戦力外となった。歯車を狂わされた楽天でプレーすることになった。だが、当の本人はカラッとしていた。「根に持たない性格なんです。僕の野球人生で良い経験になった。(併殺崩れを狙う)ああいうプレーもあると頭に入れないといけない。視野を広げないと」と振り返った。周りには、皮肉と映るかも知れない。ただ、逆境を経た山崎のプレーには、ひと味違う味が出るはずだ。【古川真弥】