球界一のショートになれる!

 今季、外野でゴールデングラブ賞を獲得した阪神大和(27)が、今日13日から合流する安芸キャンプでは遊撃でも特訓を受ける。球団は海外FA権を行使した鳥谷の慰留は続けるが、層を厚くする狙いがある。球界の名手を育て上げた高代作戦兼内野守備走塁コーチも太鼓判を押すセンスを磨きあげる。

 銀河を離れ、イスカンダルへ-。何度も耳にする甲子園での登場曲のような、壮大な夢が広がった。今季、センターとして何度もチームを救った大和が、秋季キャンプで遊撃の練習を始める。FAでのメジャー移籍が不安視される鳥谷の決断は、誰もが気になるところだろう。ただし、チームが立ち止まることはできない。選手層を厚くする意味も込め、大和の準備が始まる。加えて、その未来が限りなく明るいのだ。

 高代コーチ

 今まで何人もノックを打ってきた中で、一番うまい。一級品じゃない、特級品やから。(内野に代わることでの苦戦は)彼に関してはない。

 昨年11月から阪神のコーチを務め、外野手としての大和を1年間見てきた。才能にほれぼれした。同コーチは球界に知れ渡るノックの技術で、多くの名選手を育ててきた。中日コーチ時代に育てた荒木、井端の「アライバコンビ」はその筆頭格。09、13年にはWBCのコーチも経験した。そんな過去に見てきた有能内野手をも、上回る可能性がある-と高代コーチは真顔で言う。当の本人は期待感を受け止めつつ冷静だった。

 大和

 まず形をしっかり作らないといけない。万が一そうなって、春から(本格的に)やることになっても問題ないようにしないと。

 前日11日には、阪神・巨人連合チームの一員として、途中から11年シーズン以来3年ぶりに遊撃を守った。樟南(鹿児島)では遊撃で甲子園でもプレー。入団後も内野手だったが、出場機会を求め、12年から本格的に外野に移った経緯がある。それだけに「ノックを受ける分には問題ないけれど、試合で守備についたらいろいろあると思うので」と練習での守備に関しては不安もない。秋季練習では打撃フォームを改造中で、今キャンプでも続ける方針。その合間を縫って、万が一に備えた準備に入る。

 常々、和田監督は鳥谷に対し「彼がいないチームは考えづらい」と絶大な信頼を寄せている。それでも今後、何が起こるかわからない。「ショート大和」を磨く、実りの秋にする。【松本航】

 ▼大和は公式戦で遊撃手として通算10試合に出場(うち先発3試合)。合計23度の守備機会(刺殺7、補殺16)で失策0。内野ではほかに、二塁で121試合(先発36試合)三塁で27試合(同3試合)一塁で4試合(同0試合)出場。外野では337試合(先発288試合)。