エース譲ってもローテ譲らん!

 国内フリーエージェント(FA)権を行使して残留の意思を表明していた阪神能見篤史投手(35)が13日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、3年契約の総額4億5000万円で更改した。

 普段通りに、口調は冷静だった。それでも、熱い思いは隠せない。国内FA権を行使して、3年の長期契約で阪神に残留。「生涯タイガース」を宣言した。

 「この年齢で3年も契約していただけるところに、すごく意味がある。年齢的に権利を持っていても、正直どうすることもできない。FA権、いらないなと」

 投手陣を支えてきた功労者に球団側も最大限の評価を下した。能見は今季、夏前に不振に陥り、9勝13敗、防御率3・99だった。年俸ベースこそ1000万円減の1億4000万円だが、再契約金などを含めて3年総額4億5000万円を提示した模様で円満に合意した。

 ベテランの「若さ」も長期契約の根拠だ。3年契約最終年の17年は38歳だが、高野球団本部長は「かなり若い感覚があります。大きな故障もしていない」と評する。今後も大黒柱として期待されるが、エースの称号には「もういいですよ、その言葉から解放してください。僕が言われているようじゃダメ」と反応する。エースの座は藤浪に“禅譲”するが、先発陣の一角を譲るつもりはない。「自分のなかで1年1年の勝負。気を抜いたら若手に先を越される」。阪神の左腕では05年に37歳の下柳が最多勝タイトルに輝いた好例もある。若手の模範役として、末永く投手陣を引っ張る。(金額は推定)【酒井俊作】