侍ジャパン大谷翔平投手(20=日本ハム)が衝撃デビューから一夜明けた13日、勝負本番での「魔球」の本格解禁を宣言した。この日、大阪から東京へ移動。12日の日米野球第1戦で快投した前田(広島)の投球スタイルを直視し、縦変化の球種の有効性を確認。先発予定の18日の第5戦(札幌ドーム)では直球主体だった第1戦からモデルチェンジし、最速151キロの超高速フォークを交え、再びMLBオールスター相手にサプライズのパフォーマンスを披露する。
想像から確信に変わっていた。大谷が衝撃デビューから一夜明け、「魔球」を本格解禁する覚悟を決めた。きっかけは、目の当たりにした第1戦だった。先発した前田が大きく変化するツーシーム、チェンジアップでスター軍団を5回2安打無失点とほぼ完璧に抑えた。東京へ移動したこの日、自身の先発が予定される18日の第5戦に向けて得たヒント、秘策を明かした。
大谷
全部、勉強になった。縦の変化球を有効に使っていた。
その一戦。自身は3番手で登板し、最速159キロの直球を主体に真っ向勝負を展開した。1回のみ、全12球中10球が直球で3者凡退に切った。残り1球がスライダー、もう1球が次回で決め球にすることを示唆した超高速フォークだった。今季レギュラーシーズンの最終登板。10月5日楽天戦で、驚きの自己最速151キロをマークした。侍ジャパン合流前の沖縄・国頭村での日本ハム秋季キャンプでもMLBオールスターに対抗する手段として、脳裏に描いていた。「落ちる系のボールは使えると思う。要所で使えるかな」と描いていたが、前田の快投で迷いはなくなった。
尊敬する先人たちが残した、前例もある。メジャーリーガーは縦の変化に弱い傾向があるとされる。フォーク系の球種は、メジャーで活躍する日本人投手が大成するキーワードの1つだ。野茂英雄氏(46)と佐々木主浩氏(46=日刊スポーツ評論家)のフォーク、近年ではレッドソックス上原のスプリットなど。大谷は精度は現時点で未完成も、球速的にみれば、いつかは先輩たちのウイニングショットに匹敵、または上回る潜在能力を秘めている。
将来は米挑戦希望を持つ大谷が、超高速フォークの力を試す絶好の機会にもなる。カノ、ロンゴリア、プイグら主力選手との対決へ、今日14日の第2戦(東京ドーム)からは登板に備えて欠場、完全にベールを脱ぐ準備を整えていく。「(日米野球を)生で見られる機会はないので、楽しみたい」。スター軍団を驚かせた第1戦の試運転から、さらに本気度を増して、世界へ仰天パフォーマンスを見せつける。【田中彩友美】
◆フォークボール
人さし指と中指の間にボールを挟んで投げる変化球。手首を固定してスナップをきかせず、回転がないほど打者の近くで急激に落下する。日本で初めて本格的に操った杉下茂は「フォークボールの神様」と呼ばれた。マサカリ投法の村田兆治、日米通算201勝の野茂、日米通算381セーブの佐々木、1試合最多19奪三振の野田浩司らが使い手として有名。浅めに握り、より速い球速で小さく落ちる変化球はスプリットと呼ばれ、ヤンキース田中将大らが駆使する。



