<21UW杯:日本1-0韓国>◇14日◇2次リーグ◇台湾・台中

 日本が韓国戦に勝利し、決勝戦進出を決めた。先発した上沢直之投手(20=日本ハム)が7回12奪三振で無失点。5回に武田健吾外野手(20=オリックス)の左前適時打で挙げた1点を、最後は9回に登場した中日ドラフト1位の野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)が守りきった。今日15日に2次リーグ台湾戦を行い、16日の決勝戦に臨む。

 「ノム魔神」がきっちり締めた。1点リードの9回。平田監督にコールされ、竜のドラ1野村が悠々とマウンドに上がった。4番金到賢に左前安打を打たれたが、本領発揮はここから。5番金周賢を初球直球で力のない左邪飛。韓国に傾きそうな流れを断ち切ると、得意のフォークボールがさえ渡った。

 1死一塁で6番打者を迎えた。カウント1-2から投じたフォークは急角度で低めに沈み、見逃し三振。ボールと思って見逃したのか、打者もあまりの切れ味にあぜんだ。

 さらに代打の李枝燦は2球で2ストライクとあっさり追い込み、ボール球すら挟まない。直球、スライダー、フォークと3球種を次々と投げ込み、最後は低めに制球されたフォークで空振り三振。2次リーグ初登板は、1点差というタフなシチュエーションだったが、しっかりと守護神の役目を果たしてみせた。

 「ここのところ調子は良くない。真っすぐは1球良かったボールがあったので、次の試合までに上げていきたい。悪いなりの投球はできた」

 表情はスッキリとはいかないが、ほぼ完璧な仕事ぶりだ。今大会は抑えとして3試合で計3イニングを無失点。21U侍ジャパンの中で完全に地位を確立した。これで日本の決勝進出が決定。今日15日の2次リーグ台湾戦の結果に関係なく、決勝戦に進出することが決まった。世界一を決めるマウンドには、「ノム魔神」が立っているはずだ。【宮崎えり子】

 ◆2次リーグ

 1次リーグの各組上位3チームが出場し、別組の3チームと対戦。1次リーグで対戦した2チームとは1次リーグの結果を反映させ、合計5試合の勝敗で順位を決定。