阪神和田豊監督(52)が21日、海外FA宣言してメジャー挑戦が濃厚となっている鳥谷敬内野手(33)に対し、すでに直接連絡を取って慰留していたことを明かした。「鳥谷にはもう気持ちを伝えてあります。シリーズが終わって、すぐにね。チームとして、絶対に必要な戦力だから」と説明した。

 来季のV奪回に向け鳥谷を戦力構想の根幹に位置づけている。「鳥谷中心のチームづくりをしているから彼がいないチームは考えづらい」という熱意を、水面下では直接伝え終わっていた。メジャー挑戦を夢見る胸中については「もちろん、野球人としてはね」と理解を示し、「彼の思いもある。彼の野球人生だから簡単に結論は出ないだろうし、しっかり考えてもらいたい」と気遣った。ただ、指揮官という立場では絶対に流出させるわけにはいかない。

 4日前の17日には南球団社長、高野球団本部長らが残留交渉を行ったが鳥谷は結論を保留。あらためてメジャー挑戦にかける思いの強さが浮き彫りになっていた。現状、残留の可能性は低いと言わざるを得ないが、阪神側は一丸となり粘り強く慰留を続ける。