柱になる。広島大瀬良大地投手(23)が26日、都内で行われた「NPB

 AWARDS

 2014」でセ・リーグ最優秀新人賞を受賞した。有言実行の受賞にも満足はない。目標は高く、15勝、200イニングに設定。背番号14で新人王の先輩、故津田恒実さんに追いつけ追い越せと、さらなる飛躍を誓った。

 入団が決まってから、大瀬良はずっと口にしてきた。セ・リーグ最優秀新人賞が決まり、表情も自然に緩んだ。有言実行だった。球団では12年野村以来2年ぶり。「14番」の先輩、故津田恒実さんから数えて9人目の受賞だった。

 「かつて14番をつけていた津田さんも獲得されており、獲得できてホッとしています。いつかは津田さんを追い越せるように、精いっぱい努力していきたいです」

 ルーキーイヤーの今季は開幕から先発ローテーションに定着。自身3戦目の登板となった4月16日にプロ初勝利。9月6日には初完封も挙げた。2カ月近く勝てない時期もあったが、1度も2軍落ちすることなく、ローテーションを守り続けた。10勝8敗で防御率は4・05。広島新人が先発だけで2桁白星を挙げたのは82年津田以来だった。

 新人王の名誉も、大瀬良にとってはもう「過去」なのかもしれない。喜びを口にしながらも、すぐに目標を掲げた。広島では10年前田以来となる15勝&200イニング到達だ。津田さんでさえも入団から2年間で20勝。それでも大瀬良は今季以上の成績を最低ラインに据えた。

 「いずれ柱になりたいと思っています。(その時期が)早いほうが僕にとってはいいことだと思います」

 強い気持ちは常に持っている。「目標は高いほうが頑張れる。柱なら15勝」。今季の大瀬良がそうだったように、有言実行で高みを目指していく。200イニングも「未知の領域だけど、そういうところまで上り詰めたい気持ちが強い」と言い切った。

 宮崎・日南での秋季キャンプではスプリットなど落ちる変化球の習得を目指した。だが「僕の魅力はストレート」。はっきり言う姿に風格も漂う。鍛錬を積んだ大瀬良が、階段を上がっていく。【池本泰尚】