山形の顔になります!

 阪神ドラフト1位の横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が壮大な目標を打ち立てた。ドラフト、台湾での21Uワールド杯が終わり故郷山形に戻った先月20日。久しぶりの地元では、阪神入団を祝う張り紙の数々が目に飛び込んできた。

 「今回、山形に帰省して応援してくれる人がたくさんいた。そういった人に恩返ししたいと思いました」

 冷静に過去を振り返る。山形中央で過ごした高校時代。ウエートトレーニングに励んでいると、10年バンクーバー五輪のスピードスケート銅メダリスト加藤条治を見かけたことがあった。声をかけることはできなかったが、母校の先輩の後ろ姿に勇気づけられた。プロ野球選手の夢を実現させたことで、今度は立場が変わる。その功績が形として見えるのが、山形県スポーツ賞だ。

 「そういう(賞を取れる)選手になれるように頑張ります。プロの世界で活躍して山形に恩返しをしたい」

 五輪メダリストなどが対象者のスポーツ大賞は、加藤の他にも女子サッカー・なでしこジャパンの佐々木則夫監督らが受賞。プロ野球では前年度の特別賞にパ首位打者、最多安打に輝いたソフトバンク長谷川が名を連ねた。元大相撲横綱柏戸、プロ野球最後の30勝投手である故皆川睦男氏(南海)らを輩出したことでも知られる故郷。横山が阪神で活躍することも地元の力になるのは間違いない。新たな使命は力に変わった。プロ野球選手としての成功が最高の恩返しだ。