マエケン道場入り熱望だ。阪神藤浪晋太郎投手(20)が、広島のエース前田との合同自主トレを志願した。時期や場所は未定だが、近日中にも行われる球団との契約更改交渉でも申し出る意向。前田には11月の日米野球でもアドバイスを受けており、より深くコミュニケーションを取ることが狙い。この男の向上心、とどまるところを知らない。
最高気温8度。一気に寒くなった鳴尾浜のグラウンドに藤浪が飛び出した。「なんでこんないきなり寒くなったんですかね」。若手選手とともに取り組んだ練習。冷えた体をランニングで温めると、心に秘めていた野望がストレートに口をついた。
「自主トレは未定ですが、マエケンさんと機会があれば一緒にやりたいです」
具体的に日時や場所が決まっているわけではない。だが、レベルアップへの思いは止めることができない。日本のエースには11月の日米野球でも前田には「話を聞かせていただきました」という。滑りやすいメジャー球への対応など、親身にアドバイスをくれた。そんな先輩と接することで自然と湧いたのは、さらなる探求心。3年目までの選手はトレーニングについて球団とすり合わせており「契約更改ではそこを含めて話していきたい」と、まずは近日中に球団へ許可を求める予定だ。
「マイナスになることは少ないと思うので。動作は人によって違うので、一緒にやって自分の知らないメニューとか考え方に触れることが大事だと思う」
2日前にも藤浪は、来春キャンプで臨時コーチを務める江夏氏から考えを聞きたい意向をみせていた。技術の吸収よりも重きを置くのは、決まってメンタル面や考え方だ。「侍の時は調整も特殊だった」(藤浪)。じっくりと意見を交換しながら、前田の野球道に触れたい、という思いが言葉ににじむ。合同自主トレが実施されれば、絶好の機会に違いない。藤浪は今季左打者に3割6厘打たれるなど、左打者対策が1つのテーマ。前田は対右で2割3分1厘、対左で2割5分2厘。投球術を吸収するチャンスにもなるはずだ。
藤浪にとって前田は中学野球「大阪泉北ボーイズ」時代のコーチが、その以前に教えていたという縁がある。昔から「憧れであり、尊敬する先輩」と背中を追ってきた。入団から2年連続の2桁勝利で証明した実力に、異論を唱えるものはいない。後は熱意をそのまま球団に、前田に伝えるだけだ。目標に掲げる最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠へ。藤浪は上だけを見続け、アクションを起こす。<藤浪とマエケンの交流>
◆対戦熱望
デビュー戦(13年3月31日)翌日の同4月1日。藤浪は前田について「目標とする選手。(対戦することになれば)胸を借りる気持ちで頑張りたい」。それに対し、前田は「いつかはあたるでしょうね。いい試合をしたいし、見ている人を楽しませる試合ができれば」。
◆プロ入り後初対面
13年4月5日に初対面。練習前に能見を交えて談笑。藤浪は「『頑張れよ』と言っていただきました」。
◆初対決
13年4月7日に広島前田が先発、藤浪は2番手登板で初の投げ合い。広島前田は「速かったです。打ったら手がしびれるので手を出さないようにと思ったんですが、1回だけ振ってみたけど当たりませんでした」。
◆祝福メール
13年4月14日に藤浪プロ初勝利。翌15日に「前田健太さん、日本ハムの大谷君からもメールをいただきました。『おめでとう』という内容でした」と明かした。
◆初の先発対決
13年7月7日が先発での初の投げ合い。前日6日に藤浪は「相手投手じゃなく、打者との勝負」。当日は藤浪は前田の投球について「真っすぐは速いし、一級品のスライダーだった。一流の投手はそういう球を持っている」。この試合で藤浪は勝利投手になっている。
◆共闘
14年11月の日米野球では侍ジャパンのチームメートとして共闘。



