契約保留中の中日大島洋平外野手(29)が3日、次回交渉の“秘策”を明かした。球団外部の知人に頼み、他球団の似た成績、似たタイプの選手の年俸の上がり幅を示したデータを交渉のテーブルに持ち込む。

 今季は球団最多タイ記録の186安打、この日授賞式に臨んだゴールデングラブ賞獲得と攻守にわたって貢献。だが11月22日の初回交渉では1775万円増の年俸7400万円を提示され、保留した。

 「金額が前と同じなら判は押さない。やった年には上げてもらわないと、チームのみんなも『何で?』となる。ここで折れるとズルズルいってしまいそうだから(野球を)頑張ればこうなるというのをみんなにも見せたい。そういう世界と思っているので」。

 昨年は減額制限いっぱいの25%減を受け入れ、巻き返しの原動力とした。チームメートに応援してくれる人は多いといい、選手会長として他の選手の思いも背負っている。

 データの中身はまだ手元に届いておらず本人も知らないという。今年でいえば、規定打席未満の巨人橋本が倍増の2800万円、広島丸は打点や本塁打数で大島を大きく上回るとはいえ、2800万円増の5100万円で更改している。

 球団は早くから金額面では譲らないと明言。落合GMも今後同席しないことが決まっており、事態は硬直化して年俸調停の可能性も出ている。

 「他球団とは査定基準が違うけど、よそではこれくらい上がってますよ、というのが出ると思う」。固い決意で思いをぶつける。【柏原誠】