DeNAがソフトバンクを戦力外になった岡島秀樹投手(38)の獲得に乗り出していることが4日、分かった。救援陣の強化策として、日米5球団で活躍したベテラン左腕をリストアップ。セットアッパー候補として調査を続けてきた。近日中に入団合意に至ることが濃厚とみられ、悲願のクライマックスシリーズ進出に向け、力強い戦力が加わることになりそうだ。

 百戦錬磨の岡島獲得で、ブルペンをより強固なものにする。DeNAは今オフ、リリーフ左腕の補強が急務だった。今季26試合に登板したソトは、負傷に悩まされた両足への不安と、外国人枠の関係もあり退団。国内FA権を取得した林は3年契約で残留したものの、4年目大原はシーズン終盤に左肩に違和感を覚え、現在も本格的な投球はできておらず、来季開幕に間に合うか微妙となっている。

 そこで白羽の矢を立てたのが岡島だ。今季はソフトバンクで44試合に登板し、防御率2・11と安定した数字をマーク。緩急を使った巧みな投球術は健在で、日本シリーズでも全試合ベンチ入り。第1戦では、1回無失点の好投を見せた。チームの若返りを図るソフトバンクの構想からは外れたものの、DeNAはまだまだフルシーズン戦える戦力と判断した模様だ。

 また38歳の岡島には、ブルペンリーダーとしての期待もかかる。現在、投手陣最年長は40歳の先発三浦で、リリーフ陣は20代が中心。経験不足は否めないだけに、メジャーも含めたベテラン左腕の豊富な経験値は、若手にとって技術、コンディショニング術以上に、最高の教本となる。

 岡島がプロとしての第1歩を踏み出したのは94年の巨人。この年、1軍での登板はなかったものの、当時1軍打撃コーチを務めていたのは中畑監督と、少なからぬ縁もある。その中畑監督が、悲願に掲げるのがCS進出。目標に向け、先発陣は整いつつあり、中継ぎ右腕では今オフのトライアウトで、前オリックスの東野を獲得した。ここにセットアッパーとして、ベテラン左腕が加われば、投手力はさらに安定感を増す。

 岡島の代名詞ともいえる、リリース時に顔を下に向ける独特の投球フォーム。来季は横浜スタジアムのマウンドで躍動することになりそうだ。

 ◆岡島秀樹(おかじま・ひでき)1975年(昭50)12月25日、京都市生まれ。東山で2度甲子園。93年ドラフト3位で巨人入団。06年3月、実松+古城と1対2の交換トレードで日本ハム移籍。同年オフ、FAで大リーグのレッドソックス移籍。12年2月にヤンキースとマイナー契約も身体検査で契約解除。同年3月ソフトバンク入団。13年はアスレチックス、14年はソフトバンクでプレー。186センチ、88キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸5500万円。家族は由佳夫人と2男1女。