2年連続2桁勝利を挙げた中日大野雄大投手(26)が「開幕投手」をNGワードに指定した。7日に愛知・安城市内のパールライス安城工場「MOG」で行われたトークショーと握手会に出演。開幕投手宣言を求める周囲の空気もお構いなしに「言いません!」と言い張った。実績からすれば筆頭候補ではあるが、かたくなに口にすることを拒否。その真意とは…。
マイクを握った大野が口ごもった。大盛り上がりのトークショーも中盤。司会者から開幕投手のフレーズが飛び出したときだ。さあ、サービス精神旺盛の左腕から「開幕投手宣言」が飛び出すか。ファンの視線を一身に浴びた大野は申し訳なさそうに言った。
「そうですね…。今年みたいにバーンとは言わないです」
先輩の挑発にも負けない。一緒に出演した藤井からは「びびってるんですよ。口だけだと言われるのが嫌で」と突っこまれたが「言いません!
つらい思いもしたんですから」と折れなかった。
今季は開幕投手に挑むことをキャンプ前から公言した。エース吉見も右肘手術の影響で出遅れは必至。前年に2桁勝利の大野にかかる期待は大きかった。ところがフタを開けてみれば、開幕投手を務めたのは、経験で勝る川上。一方、大野は3月、4月とまったく勝てず5試合に登板して0勝3敗。4月26日ヤクルト戦(神宮)では1回5失点KOで名古屋に強制送還され、2軍降格を命じられた。初勝利は開幕から1カ月半が経過した5月14日DeNA(横浜)だった。
「開幕投手」のワードは封印しているが、目指しているものは、間違いなく来年の3・27。京セラドーム大阪で行われる阪神戦だ。地元関西でオープニングゲームに先発する。大野にとってこれほど名誉なことはない。
「秘めているものはある。そういうところを狙っていかないと実力は上がっていかないですから。ただ、言いません。目指しているけど、取り組みと姿勢で示します」
いつもの笑顔がこの話題になると真顔になる。言いたいけど、あえて言わない。不言実行で初の栄誉を狙う。【桝井聡】
◆来季の開幕投手予想
最多勝&最高勝率の2冠に輝いた山井、2年連続2桁勝利の大野が争いの中心。右肘手術からの完全復活を目指す吉見がどこまで本来の力を取り戻せるか、ポイントになりそうだ。山本昌、川上のベテラン勢も可能性はゼロではない。



