巨人のエースの金看板は譲らない。内海哲也投手(32)が16日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い、4年契約の3年目となる来季へ現状維持の4億円(推定)でサインした。今季は序盤戦に勝ち星に恵まれず、故障も重なり7勝。連続2ケタ勝利が4年で止まった。開幕投手の座も菅野に譲り、その若き右腕は12勝で最優秀防御率とMVPに輝いた。長年、エースの座を張ってきた内海は現状と向き合った。

 内海

 智之(菅野)は頭1つ、2つ、自分の先を走っている。でも粘り強く、食らいついてプレースタイル同様に、追いつき、追い越す。そして開幕投手を狙っていきたい。

 球界の定説ではエースは最低3年連続の好成績を求められる。2年連続2ケタ勝利を挙げた菅野とは来季、称号をかけたガチンコ勝負となる。現時点での劣勢を認めた上で巻き返す覚悟を示した。

 まずは、原点に立ち返る。「投げる試合では5~7イニングを投げないと、という漠然としたイメージで今年はやられることが多かった。でもまずは1イニング、打者1人ずつの積み重ね」と基本を思い出した。

 菅野をライバルに見立て、その先にある大きな野望をつかむ。「やるからには沢村賞を目指したい。7勝で言うのはなんですけど、最低15勝」。球団の左腕で沢村賞を獲得すれば73年の高橋一三以来。快挙を成し遂げる活躍ができれば、エースの座は再び安泰となる。【広重竜太郎】