【ホノルル(米ハワイ州)16日(日本時間17日)=石橋隆雄】ソフトバンク工藤公康新監督(51)が、来春の宮崎キャンプで大きなタイヤを使ったトレーニングを導入することを明かした。秋季キャンプでは自転車のチューブを使った練習をコーチ陣に紹介。それに続く工藤流トレーニング第2弾のタイヤトレ。連続日本一へ、まずは全身をビルドアップすることから始まりそうだ。

 タイヤを引いてズルズル…。ソフトバンク工藤新監督が取り入れるのは、そんな古典的特訓ではない。ハワイでの名球会総会後、工藤流タイヤトレを説明した。「引いたら原始的に見えるが、引かないし押さない。でっかいタイヤを持ち上げてひっくり返す。全身運動。俺の身長くらいのタイヤかな」。工藤監督の身長は176センチ。それくらい直径の大きなトラックで使用するようなタイヤをすでに発注している。

 自身が現役時代、米国で自主トレを行った時に目撃し、自らも取り入れた。巨大なタイヤを寝かし、かがんで下から両手で持ち上げ、体全体を使って前方へとひっくり返す。腕力だけではだめだ。「手本は見せないよ。嫌だよ。回数はこなせない。重たいよ。けっこう重量はある。体全体を使っているんだと意識してやってもらえればいい」。トレーニングコーチの管轄下で、投手にも野手にも行わせるつもりだ。

 秋季キャンプでは自転車のチューブを使ったトレーニングをコーチに伝えた。柱に巻いたチューブを腰に巻いてシャドーピッチングすることで、チューブに体が引っ張られる。その中で下半身主導の体重移動が身につくというものだ。

 それに続く第2弾がタイヤトレだ。工藤監督は「トレーニングってマンネリ化してるから、気分転換になったら。やり方を変えるだけで楽しく感じる」と、飽きさせず、苦しいキャンプを乗り越えさせる。

 キャンプでは今季から続投のコーチや新任コーチからの考え、提案を生かしていく。だが、体のしくみにもトレーニングにも詳しい工藤監督は「他にもいくつかある」。工藤流トレーニングをさらに加えていくつもり。来季チームが目指すのは連続日本一。大きな目標に突き進むパワーを、ナインに授けていく。