おれはマエケンキラーだ!

 中日を戦力外になり阪神に新加入した森越祐人内野手(26)が18日、広島前田攻略の再現を誓った。人けのない鳴尾浜で汗を流し、高校時代の相性のよさをアピールした。

 愛知啓成で3年春の06年センバツに出場した。PL学園戦で前田から二塁打を2本マーク。プロでの対戦はまだないが「もちろん打ちたい。1度死んだ身で阪神さんに拾ってもらった。本当に力になりたい」と意気込む。

 04年に左手首を骨折しながら右手だけで安打を放った金本や、1466試合連続試合出場を続ける鳥谷。阪神で受け継がれる「鉄人」の要素を、実は森越も持っていた。前田を痛打する大会直前に、右手薬指を剥離骨折した。医師に相談すると、手術して甲子園を断念するかそのままプレーするかの2択を迫られた。夢を手放さず、森越は指が折れた状態で前田を攻略。今も指は曲がったままだ。

 「あれで、多少のケガでも大丈夫と分かった。死球や交錯があっても無理してでも出たい」

 新天地でオフのトレーニングからも、熱い闘志がにじみ出る。毎日朝風呂で体をケアするなど、パフォーマンスへの準備は怠らない。どん底からはい上がる源は鉄人魂だ。【松本航】

 ◆森越祐人(もりこし・ゆうと)1988年(昭63)8月11日、愛知県生まれ。愛知啓成-名城大-10年ドラフト4位で中日入り。今季19試合1安打。178センチ、70キロ。右投げ右打ち。