オリックス西勇輝投手(24)が年明けのハードトレで九死に一生を得ていた。28日、神戸市のほっともっと神戸で自主トレを公開し、詳細を明かした。例年、実家近くの三重・鈴鹿市の神社で約300段ある石段を1日5本登っているが、今年は10本に挑戦。限界突破を試みるも酸欠で力尽き、気を失いかけたところに救世主が現れたという。

 「伐採に来ていたおじさんがジュースを飲ませてくれて、助かったんです」。命の恩人は、真っ青な顔色で倒れかけたトレーニングウェアの青年を見てもオリックスの西とは気付かなかった。「仕事仲間にぼくの幼なじみのお父さんがいて、わかってくれました」。相手が誰であれ手を差し伸べてくれた人の親切に、年明け早々助けられた。

 慣れ親しんだ石段トレ以外にも年末は海外、年明けは沖縄で、走り込みと遠投で体をつくった。内容の濃さも量も例年以上の自主トレは「今年こそ金子さんを抜かせるように。いつも2番目なんで」と昨年の沢村賞右腕を超えるため。オフに自宅に招かれ、家族ぐるみで食事をした際に金子から「早くオレより勝てよ」とハッパをかけられた。いつまでも、弟分ではいられない。【堀まどか】