日本でサムライになる。広島の新外国人ヘスス・グスマン内野手(30=アストロズ)は28日、クリス・ジョンソン投手(30=ツインズ)とマイク・ザガースキー投手(32=ブルージェイズ3A)とともにマツダスタジアムで入団会見に臨んだ。打線の中軸を期待されるグスマンは、日本球界経験者から情報を収集。同郷の元西武カブレラのような、日本での成功と、長くプレーすることを胸に誓った。

 有名ブランド「グッチ」の靴とベルトに「ボス」のスーツを着こなす。あごひげはきれいに整えられていた。カープ女子の人気も出そうな甘いルックスで、ブランド品の買い物も「モチベーションの1つ」と言う。ただ野球人としては、心の中に熱いものがある。異国の地・日本伝統のサムライ魂を宿す準備はできている。

 適応するための準備も整えてきた。来日前に日本球界経験者のシーズン最多本塁打記録のヤクルト・バレンティンと、西武やオリックスなど日本で12年間プレーし、通算357本塁打を記録したカブレラから日本人投手の特徴などアドバイスをもらった。「違うリーグ、違うタイプの投手だけれど、彼らがやってきたように適応していかなければいけない」。同じベネズエラ出身のカブレラは、日本で長くプレーし成功を収めたことで、母国では「サムライ」と呼ばれている。「私もそう呼ばれたい。サムライは戦う戦士というイメージがある」。日本での成功がなければ、その称号は得られない。

 メジャー通算25本塁打のスラッガーは「ラインドライブのライナーをしっかり打てる選手で、その中にパワーを備えている」と自己分析する。打点を稼ぐタイプから「ラマキナ(機械)」という愛称をつけられたこともある。広島でも得点源となることが期待され、外国人選手の初年度年俸としては球団史上最高額となる1億円で契約を結んだ。「一生懸命プレーして、チームの勝利に貢献できるように頑張りたい」。ユニホーム姿となるグラウンドで、ただ戦うだけ。戦う準備はできている。【前原淳】