打点王は2・1発進、黄信号…。阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が、現地時間27日の時点で、来日時期の見通しが立っていない状況であることが28日、分かった。前日27日に、母国のドミニカ共和国でパスポートを盗まれたことが判明。ゴメス自身がパスポートの再申請を行っている段階。手続きに時間を要するとみられ、球団内ではキャンプインする2月1日の参加は厳しいとの声が大勢を占める。

 予期せぬアクシデントに見舞われたゴメスの状況は1日たったくらいで好転するはずもなかった。球団によれば現地時間26日の朝、ドミニカ共和国の自宅駐車場で車上荒らしに遭い、パスポート入りのバッグを盗まれたという。日本時間で前日27日、球団に連絡が入って発覚。この日も見通しは立たない状況が続き、高野球団本部長も渋い表情を浮かべた。

 「本人がパスポートの申請をしにいっている状況でメールや電話で連絡している。なるべく円滑に進めるよう考えている。監督も心配していると思います」

 ドミニカ共和国の球界関係者によれば、パスポートは申請すれば最短1日で再取得できるという。ただ、就労ビザの再発行時期が不透明で、書類をそろえる手続き上の問題もあり、最悪の場合、再発給に2~3週間かかるケースもある。高野本部長も「必要なものは(パスポートの)他にあるでしょう」と説明。ゴメスは現地の日本大使館で再申請したが、来日の見通しが立つのは今日29日になる。

 球団関係者は「どうなるかまったく分からない。ゼロか百。無理なら、第1クールに間に合わない可能性も高い」と話す。別の関係者も「キャンプインには間に合わないんじゃないか」との見立てだ。日本政府の対応に委ねるしかなく、現時点では、2月1日のキャンプ参加は厳しい情勢だ。

 当初は、この日の朝に来日予定だったが、待ち人の姿はなし…。昨季も夫人の出産で2月10日に来日し、体調不良や右膝故障で開幕も不安視された。打点王に輝いたとはいえ、万全な調整で本番を迎えたいもの。不動の4番が、またもやスタートでつまずいている。